出版社内容情報
よく使われている「集権体制」あるいは「中華帝国」--こうした言葉に我々は、上から下まで完全に統制された社会像をイメージする。しかし中国社会の状況は必ずしもそうではない。基層すなわち末端のコミュニティに暮らす人々にとって、多くの場合、国家は象徴的な存在に過ぎず、彼らの実際の生活は、郷、鎮や村といった基層社会の独自の民間規範/制度のもとで暮らしているのだ。その特徴は、数千年の古代以来変わらない。徴「税」の実態、団体紛争、幹部の人事変更及び村民の上訴事件等々……実際の事例に基づいた政治社会学的分析で、中国基層社会の政治経済構造に迫った名著が日本語に!
内容説明
中国の実情は、集権体制や中華帝国といったイメージとは異なる。人々にとって、多くの場合、国家は象徴的存在にすぎず、実際の規範は基層社会にある。徴税、団体紛争、村民の上訴事件等、実際の事例に基づき中国社会の構造に迫る。
目次
第1章 歴史:地方権威の授権源
第2章 役割の競合:公共サービスと独占経営
第3章 郷規民約に見られる村の管理権
第4章 基層財政・税務制度及びその政治的結果
第5章 人事異動及び組織化協力
第6章 農村政治の観察
第7章 個人と公共―2種類の関係の混在と変形
第8章 分割的な管轄権
第9章 村民と国家
第10章 農村制度に関する諸問題
著者等紹介
張静[チョウセイ]
中国北京大学社会学科教授。1957年生まれ。香港中文大学社会学博士課程修了。博士(社会学)、専門は政治社会学。社会ガバナンス、政府行為に関する調査・研究に従事してきた
金山[キンザン]
中国海南大学外国語学院教授。1966年生まれ。九州大学比較社会文化研究科卒業。博士(比較社会文化)、専門は社会学。海南島における民族問題、海南島に関する日本文献の調査・研究・翻訳などに従事してきた
韓艶麗[カンエンレイ]
長江大学外国語学院講師。1983年生まれ。鹿児島大学人文社会研究科法文学部地域学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)、専門は文化人類学
王艶珍[オウエンチン]
海南大学外国語学院講師。1979年生まれ。名古屋大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了。博士(文学)、専門は比較文学。近代中日詩歌の発展史について整理し、中日近代詩の受容過程を明らかにする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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