内容説明
生まれつき特異体質である鳳光陽は、同じ境遇である梁井轟と「契約」を交わしている。特異体質の人間は、契約相手がいないと、ひとりでは生きていけず、そのお互いに生まれる「絆」が、時に独占欲や嫉妬に変わり、同族を傷つける。そんな同族同士の妖しい人間関係のもつれに、梁井と光陽は巻き込まれようとしていた。激しく絡まった幾人もの憎悪や愛情は、誰が正しくて間違っているのか分からない。人一倍、独占欲の強い梁井は、光陽を奪われまいと、誰も傷ついてほしくないと訴える光陽をおいて、自ら罠に飛び込むが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
草薙香里
36
どうするのこれ…本当に次の巻で解決するの?絶望しか見えないじゃないか…。昌史えらいもん残してくれていったな。銀も真実を知って何処か行っちゃったし。まぁ暗い話はここまでにして、巴のイラストが凄く可愛かったです。光陽がからかわれているのも可愛かった。このまま平和だったら良かったのにな…。2012/08/09
えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)
35
【課題図書】シリーズが終りに向かいだした。戦いの行方は今や誰も想像していなかった方向へ、最悪の展開になろうとしている。獣人組織のリーダーである須王にとっては最大の危機。かなり好きだった銀だけど、前作の獣人化から組織への対戦意識が最初のものと少しズレたように感じてしまう。組織壊滅が彼の目的ではあるのだが果たしてそれを望んでいいのだろうか? 重苦しい中の緩和剤、おとぼけキャラ光陽。今はこの困ったちゃんの突飛な行動が何か希望の光を終結にもたらしてくれるんじゃないかと願ってしまう(苦笑)2011/02/25
那義乱丸
27
須王達も出てきて、エンドに向かう物語だと実感させられる展開でした。組織と組織を潰そうとする銀たち。それぞれが掲げる正義が理解できるだけに読者としてもどちらかに肩入れが出来ないもどかしさ。敵対する者たちを一歩引いたところからみている光陽の願いは理想論でしかないのかもしれないけれど、そこに終着して欲しいと願ってしまいます。消える者も出て辛い展開ですが、アホッ子光陽と梁井のやりとりが和ませてくれました。大変なラストになってるのでどんなエンディングを迎えるのかわかりませんが、どうかハピエンでありますように。2011/02/08
天使を愛するアカウント
23
久々の凍る~シリーズ本編。梁井×光陽の4作目。間に須王×巴、佐倉×銀が入ってるのでなんか懐かしいと共に、メインカプ以外にもしっかり目が行くのが上手いなぁと。他の2カプが入るまでは光陽はちょっとのんきすぎると思ってたけど、ココにきてそののんきさがイイ↑殺伐さの中にあって梁井とのやりとりとかすごく救われるなぁ。梁井はすっかり光陽にかなわなくて超うける。惚れた弱みだねぇw須王×巴も出てくるだけでときめく~///しかし事態は結構深刻な展開、あと1冊でどう終わるのか…できれば幸せな結末を…期待して待ちます。2011/02/01
[春]
20
三者三様の物語を経て、いよいよ全員集合の最終ステージ。しょんぼりしてしまった。誰も幸せじゃなくて。ひとりだけ途中まで生き生きしてた銀は組織に相手にされず見下され、巻き込まれた梁井は本能的に抑圧され、巴編で人間的魅力のあった幹部たちも悪役として情け容赦なく、獣人全体の未来を憂える須王は恐れていた最悪の事態に苦悩する。誰に肩入れしていいかわからなかった獣人同士の戦いはうやむやになり、ある意味ちゃぶ台返しな展開だ。ここからどう決着するのか。あまり駆け足にならなければいいなと思いつつ最終巻を待つ。2011/02/28