内容説明
国の威信をかけた異人たちの富士登山レースに、江戸っ子は驚き嘆き、富士の天狗は怒り叱った。外国旗はためく幕末の富士山頂。
目次
第1章 シーボルトの秘密
第2章 女王陛下の登山隊
第3章 時計登山隊の活躍
第4章 パリ万国博覧会と富士山
第5章 富士山ヒストリー・ツアー
著者等紹介
谷有二[タニユウジ]
1939年、愛媛県宇和島市生まれ。日本山書会・産業考古学会・タタラ研究会などに所属し、東アジア的に見た山岳にまつわる事象を歴史や民俗などの学をふまえてフィールドワークする。また幕末の文化史にも詳しく、山岳文化とあわせて、ユニークな論を雑誌・新聞などに発表している
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感想・レビュー
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バニラ風味
3
図書館の特集本。パラパラとめくり、シーボルトにビビっと来たので借りました←シーボルト好きの私。シーボルトが持ち出して問題になり、多くの人に波紋が及んだご禁制の書簡。その中に、富士山の標高に関するものもあったようです。ヨーロッパでは登山は金持ちのステータスな娯楽で、悪魔の住む山を征服すること。でも、日本人にとっては??竹取物語にも出てくる見目麗しい富士山は、信仰の対象でもありました。北区近隣に多く存在する、富士山に見立てたごつごつ岩の富士浅間神社登山は、今人気。富士山をめぐる外国人の意識が興味深かったです。2013/08/10