内容説明
“生きているかぎりは生きぬきたい”ここに新藤兼人監督の生き方、考えが凝縮されています。’95映画賞を総ナメにした「午後の遺言状」は“老いをいかに生きるか”がテーマですし、「愛妻物語」以後「原爆の子」「縮図」「裸の島」「鬼婆」といった作品は、破産、家族の離散、戦争、原爆など監督の身辺の出来事と人間の業をテーマとしています。これら名作の下地となったエピソードが率直に語られ、私たちに問いかけてきます。
目次
第1章 乙羽信子との四十二年
第2章 溝口健二を師として
第3章 出会い
第4章 ピカ・ドンとわたし
第5章 人間模様
第6章 映画監督を夢みたころ
第7章 わが独立プロの浮沈
第8章 戦中戦後
第9章 人間を見つめる
第10章 乙羽さんと姉
第11章 再び原爆のこと
第12章 「老い」を生きる