出版社内容情報
人生を肯定的に受け入れるための本。
このまま仕事を続けていくのか? このアパートにいつまで住んでいるの? 老いていく親をどうしたらいいのだろう?
30代後半から40代にかけて鬱々とした気持ちにさせるさまざまな悩みが押し寄せてくる。そんな気分を吹き飛ばし、自分自身の人生を受け入れるにはどうしたらいいのかを、著者自身の体験をもとに描き出す。
カウンセラーへのかかり方をも身をもって示した「心の実用書」。
【書評再録】
●毎日新聞評(2000年5月17日)=さまざまな生き方を事例もあげつつ、年をとる練習をする。心が休まり、治る本だ。
●中日新聞、東京新聞評(2000年4月30日)=カウンセラーの利用の仕方、心理的危機を突破する方法を身をもって示した「心の実用書」。
●日刊ゲンダイ評(2000年4月20日)=人生に不安や焦りを感じたら読む本。
【内容紹介】本文より抜粋
なんだかきゅうに身辺があわただしくなってきた。世界中が僕に質問しているような気がする。
・このままこの仕事を続けていくのか?
・このアパートにいつまで住んでいるの?
・お子さんはまだですか?
・親も老いてゆくぞ。どうするんだ?
・世の中不景気で先行き不安だ。おまえは大丈夫か?
・休みの日には寝てないでジョギングぐらいしたらどう?体力落ちてるよ。
こういうのが一日中頭のなかをぐるぐるしていて、気がつくと日が暮れている、どころか午前3時だ。そうして今日もそれからワインなんか飲みにかかり、何とか眠りをおびき寄せようとする。しらじらと夜が明けてゆくのを感じる布団の中、朝刊が届くストンという音を聞く。
僕はこう感じている。人にもよるが、30代後半って、いろいろな現実がいよいよ現実的に、もういいかげん猶予も終わりなのさという感じで、どさどさと押し寄せてくる年代ではないのか。青年の頃の疾風怒涛の毎日とはまた違った意味で、「怒濤だなあ」と思うのである。
30代前半までは、こうではなかった。未来は不定形の期待に満ちており、まだまだ、人生どうなるかわからない/決めることもない、という意識だった。それがいつの間にか、まるで何かの罠にかかったように不意に、「決定」を迫られている。少なくともそういう気がする。
【主要目次】
三十代後半はジェットコースター/自慢じゃないが、貯金はない/死ぬまで共働きを運命づけられた世代/アメリカへでも逃げようか/家を買った、鬱になった/いったい子どもはつくるんですか?/帰るべき日常を探して/マッサージ、虫歯のことなど/ふたたび箱庭をつくる/まつろわぬ人々/ちゃんと仕事をしている人々の物語/衰退の感覚/死についての研究(変化の暗い側面)/天国を辞去する/現実的な選択/この生を受け容れる
内容説明
子どもはどうするの?家は買うの?転職するなら今のうち?親知らずは抜いたか?この年代をどう生き延びるか。心がちょっとだけ治る本。
目次
三十代後半はジェットコースター
自慢じゃないが、貯金はない
死ぬまで共働きを運命づけられた世代
アメリカへでも逃げようか
家を買った、鬱になった
いったい子どもはつくるんですか?
帰るべき日常を探して
マッサージ、虫歯のことなど
ふたたび箱庭をつくる
まつろわぬ人々〔ほか〕