内容説明
ヒトラー、スターリン、チャウシェスク、ロベスピエール。彼ら独裁者たちは、いずれも虐待された子供であった。衝撃の歴史解釈。
目次
序 児童虐待について
1 ヒトラー―魂を殺され、狂気に憑かれた悲しい男(ジェノサイドについての解釈;ヒトラーについての解釈 ほか)
2 スターリン―暴力を論理化し、ジャコバン主義を貫徹した男(スターリンの本質;大粛清 ほか)
3 チャウシェスク―スターリンを気取った矮小な男(自主独立と平和外交?;貧困の平等 ほか)
4 ロベスピエール―憎しみと悲哀を仮面で包んだ男(フランス革命の謎;自由・平等・友愛 ほか)
著者等紹介
伊藤阿京[イトウアキョウ]
1940年6月青森県西津軽郡木造町(現つがる市)生まれ。1963年3月国立弘前大学文理学部文学科卒業。1966年4月青森県職員。1997年4月青森県弘前児童相談所長。1999年3月同県退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネコ虎
4
とてもいい本を読んだ。ヒトラー、スターリン、チャウシェスク、ロベスピエールら独裁者たちが何故虐殺や粛清など狂気の振る舞いに及んだのかを独自の視点から解き明かす。彼らはいずれも虐待された子供であったからだと。著者は青森の元児童相談所長で、その業務経験から割り出した独特な見解だ。納得するところと強引さが入り混じる。しかし、独裁者を巡る歴史叙述は冴えている。社会主義批判も鋭い。チャウシェスク独裁には新しい発見があった。こんな良書がマイナーな出版社から出されているのはとても惜しい。文庫化できないものか。2016/01/09
ハルキゲニア
1
ヒトラー、スターリン、チャウシェスク、ロベスピエールの4人の独裁者と児童虐待との関係を考察している本です。4人の残虐さや異常性は虐待された子供特有のものだという論理です。多少強引な感じもありますが、なるほどと思う部分もあります。何より当時の時代背景とそれに応じた彼らの心の動きがよく書かれています。独裁者となった後の孤独を感じさせる部分もあり、難しいけど読み応えのある本でした。2019/02/25