内容説明
本書は、中央大学人文科学研究所の研究チーム「近代劇の成立」第二期の研究成果をまとめたものである。共通のテーマは「モダンからポストモダンへ」、「近代劇」の範囲を超えたと見られる演劇、「近代劇」の概念を打ち壊した演劇を取り扱っている。
目次
第1章 イギリス(「凄絶の美」と「荒ぶる獣」の変貌―イェイツとベケットの演劇宇宙;ブライアン・フリール―言語と歴史と;レナード・ウルフなんか怖くない?―エドナ・オブライエン『ヴァージニア』;トム・ストッパード―ポストモダン・コメディ;現代演劇源流論―境界領域を再検証する)
第2章 アメリカ(テネシー・ウィリアムズ―ポストモダンへの挑戦;ポストモダンの劇作家ランフォード・ウィルソン―マイノリティーの視点から;デイヴィッド・マメット劇における演出―閉鎖的な世界にかいま見える真実;デイヴィッド・ヘンリー・ウォン『響きと美』―たましいの響き、たましいの美)
第3章 ロシア・ドイツ・中国(スタニスラフスキー・システムについて―モダン、ポストモダンを超える「科学」=「演劇的知」;未完の神聖な喜劇―ジョージ・タボーリ「ゴルトベルク変奏曲」;演劇が聞こえる風景―ハイナー・ミュラーの『絵の記述』と『ヴォロコラムスク幹線路』を例に;高行健の劇作について―中国演劇の「ポストモダン」)