出版社内容情報
茶室「擁翠亭」は、寛永年間(1624?44)、加賀藩主前田利常が、家臣でもあった京の金工師後藤覚乗(勘兵衛)の屋敷に建てた茶室です。
設計したのは、江戸時代前期を代表する茶人、小堀遠州。依頼主と設計者の美学が結実したこの名茶室には、13ある窓の造作をはじめ、他の茶室にはない独自の意匠が随所に見られます。
擁翠亭は明治初年に解体され、部材は数寄屋大工師の許で保管されていました。そして平成15年にその部材が発見され、同27年、京都鷹峯の地に再建されるのです。
本作は、そんな擁翠亭の全容を撮影したDVDです。遠州の「綺麗寂び」の世界を堪能できるのはもちろん、60点を超える資料を駆使した解説により、茶室の部位や構造、擁翠亭の歴史について学ぶことができます。また、席披茶会における貴重な映像も収録。「膳所光悦」茶碗や前田家伝来の茶道具、そして遠州茶道宗家・小堀宗実家元と陶磁研究家・林屋晴三氏の問答は必見です。
擁翠亭保存会[ヨウスイテイホゾンカイ]