出版社内容情報
本誌はノンフィクション作家・保阪正康の総合監修により、戦後日本を占領した「巨大権力GHQ」の「日本解体の手法と意図」を再検証します。東京裁判を中心とした2つの日本の顔「占領前期(解体される日本=民主化・非軍事化)」「占領後期(東西冷戦の極東の拠点とされた日本)」を通じ、GHQに導かれた現在の民主主義=アメリカン・デモクラシーを昇華させた「日本の民主主義」を考えます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
12
写真も多く、米国支配下の日本の姿を視覚面からも具体的に追いやすい、とは思う。敗戦日本の出発点で、憲法をはじめ独立国として歩んでいくために無視できない歪みや足枷を作った元凶であるのに、他ならぬ日本人自身が多くは正確に実相を知らずまた関心もないというのでは器作って魂入れずで、現代で何をしても虚しいだけ。日本人として主観的に総括するための入門編として使いたい。また、編者をはじめ各テーマで寄稿者が様々だが、こと国益が絡む歴史については編者・執筆者の思想や主義をはじめバックグラウンドはよく吟味することも重要。2016/09/16
入江・ろばーと
0
戦前・戦中の教育を一括りにして「皇民化教育」といって断罪。なぜ当時教育を受けていたというだけで作家が語っているのか。せめて教育の専門家に聞けなかったのか。何にしても学制以来敗戦まで73年続いた教育制度を一時期の「失敗」だけで否定する態度はいかがなものなのか……。あと、「平成天皇」ってどういうことだ。2016/09/11