内容説明
関ヶ原以来の怨嗟に狂うお杉、敗残の恥辱をそそがんと息巻く吉岡一門。敵に囲まれ、頼る親類からも冷遇を受けた武蔵は、除夜の鐘の響く厳寒の京都にて、雑記帖に決意をしたためる―「われ事において後悔せず」。年明けて正月元日、吉岡との約束を果たすため、五条大橋を訪れた彼が目にしたものは…。お通、城太郎、朱実、そして宿敵・佐々木小次郎。それぞれの想いと運命が交錯する。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892年、神奈川県久良岐郡(現・横浜市)生まれ。本名英次(ひでつぐ)。十歳頃より雑誌への投稿を始め、少年誌で入選。1914年、吉川雉子郎の筆名による『江の島物語』が『講談倶楽部』誌三等に当選する。’22年、東京毎夕新聞社入社後に文才を買われ『親鸞記』等を執筆。同紙紙上にて発表。1962年、七十歳にて生涯の幕を閉じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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