内容説明
2003年から2008年までに公開された、インディーズ系の日本映画、アジア映画、ハリウッド以外の欧米映画の作品評に、来日した監督へのインタヴューをあわせて、現代映画の熱い鼓動をつたえる。
目次
日本映画―歪み、きしむ社会のなかで(楽しきわが家はいま―『蛇イチゴ』;そして風景が立ち上がる―『リアリズムの宿』;捨てられた子供たちの行方―『誰も知らない』 ほか)
アジア映画―それでも子供たちは生きてゆく(貧しさを誇りを持って描く―『少女の髪どめ』;奇跡のようなラブストーリー―『オアシス』;タリバン政権下の恐怖に生きた女の子―『アフガン零年』 ほか)
欧米映画―夕べは歓びの声に満ち、翌朝は殺戮の血におおわれる(物静かなジャーナリスト―『戦場のフォトグラファー―ジェームズ・ナクトウェイの世界』;少年は国境を越える―『イン・ディス・ワールド』;夢の終りに―『グッバイ、レーニン!』 ほか)
著者等紹介
川本三郎[カワモトサブロウ]
評論家。1944年東京生まれ。著書に『大正幻影』(サントリー学芸賞)『荷風と東京』(読売文学賞)『林芙美子の昭和』(毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
24
もちろん川本三郎だから「現代映画」を語る言葉がヤワなものになるわけがないのだが、ここまで骨太で良心的な批評が施されると実に爽快。とはいえ、読んでいてインスタントにすっきり理解できる批評ではなくむしろ読みながらじわじわと滋養が効いてくる類の、渋い角度からの鑑賞で魅せる批評足りえていると思う。著者のスタンスは「左」のようで、実はアメリカの派手な映画を意図的に無視しているところが「反米保守」のそれでもあるようで、著者の歩んできた政治的経歴を考えると面白く感じられる。ここに収められた映画評を読み、映画を観たくなる2022/04/21
hose1239
0
心に残るアジア映画の秀作2011/05/21