晶文社アルヒーフ<br> ジャック・ロンドン自伝的物語

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晶文社アルヒーフ
ジャック・ロンドン自伝的物語

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  • 商品コード 9784794924193
  • NDC分類 933

内容説明

「動物作家」の内面の記録。19世紀末のサンフランシスコ―そこが彼の戦場だった。『野性の呼び声』の作家が、若き日の夢と恋と闘いをみずみずしく描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まふ

106
ジャック・ロンドンの自伝的な物語である。水夫の青年マーチンが将来作家になろうと心に決め、上流階級の3歳年上の女性ルースの手ほどきを受けて独学で教養を身に付ける。数多くの詩・小説を出版社に送るも返却され続ける日が続き、ルースの一家から婚約解消を通知される。が、その数か月後に出版社から認められ小切手が次々に舞い込みマーチンはリッチな名士になり人々は手のひらを返したように彼を受け入れる。ルースも会いに来るがマーチンの心はただむなしさを感じるのみである…。G1000。2023/10/07

NAO

76
マーティンは、誰にも左右されない冷徹な目を持っていた。彼が同じ階級の人々と自分は違うと感じたのも、彼の作品が成功したのも、その目のためであり、ブルジョア社会のなれ合いを厳しく批判したのもまた、その同じ目だった。ブルジョアが特権階級なら彼らは自分以上の目を持っているはずだと信じていたのに、そうではないことが分かったときのマーティンの失望は、あまりあるものだった。それは、ブルジョア階級に対する作者の激しい批判でもあるのだろう。描かれている人物たちも、労働者階級の方が活き活きと魅力的に描かれている。2019/04/12

田中

19
ブルジュアの特権的自我意識は、人間性の汚濁に映る。睡眠時間を削って知識を向上させたマーティンとの対比は、どちらが優れているか瞭然だ。役職やら地位やら学歴のある人の実態は、空虚な傲慢者の集合なのかもしれない。今も昔も、薄っぺらな思考のもちぬしが幅をきかせる社会とは何なのか?でも、「愛」は違う。金や名声で変質してはならないものだ。真の愛情の交流なら、世間体も無視できる。なぜなら「個人」に宿るバイタリティーはとても貴重なものだから。「ジャック・ロンドン」の声に、僕は心から共感する。 2019/02/17

maja

14
「マーティン・イーデン」は、水夫の青年が階級差のある女性に憧れ恋焦がれて認められようするところから始まる。彼は格差の距離を埋めるため凄まじく涙ぐましく努力する。その独自さで彼は創作という才能を開花させることになるのだが、彼の世界観の開眼は皮肉な結果をもたらしていく。彼が粋人のブリセンデンと認め合い気持ちを交わし合うところは救われる思いもする。ジャック・ロンドンの生い立ちを想像する。2018/11/12

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