出版社内容情報
『諸君!』は初代編集長から最後の編集長まで、
おおむね、その創刊時の理念を引き継いで編集されてきたと思う。
「反体制」ではなく「反大勢」雑誌だった。
朝日やNHKや岩波書店などがつくる「大勢」に対して、
こんな見方も、こんな事実もあるんじゃないのと、揶揄したり、
茶々を入れたり、時には真剣に徹底的に論破したり……と。
それこそが、言論出版の自由の最たるものではないのか。
大新聞などが、戦前の軍部のようにみずからへの批判を許さない
「検閲機関」のように居丈高になっていたときに、
週刊誌や月刊誌が、細々と異論を提示したからこそ、
日本の言論の自由は守られてきた。 (本書より)
文藝春秋が刊行していたオピニオン誌『諸君!』の編集に
長年たずさわった編集者による歯に衣着せぬ回想記。
洒脱な筆致で、迷走する雑誌ジャーナリズムの存在理由を問い直す。
目次
プロローグ さらば文藝春秋
第1部 文藝春秋(文藝春秋との「赤い糸」;『諸君!』から始まった編集者生活;こんな文藝春秋に誰がした;誰よりも『諸君!』を愛す;『諸君!』は『正論』でも『新潮45』でもないけれど『自由』ではあるかも)
第2部 松下政経塾(「志のみ持参せよ」のはずが、「志」を表明したら言論弾圧!)
エピローグ 「反体制」ではなく「反大勢」を目指して
著者等紹介
仙頭寿顕[セントウトシアキ]
1959年(昭和34年)、高知県安芸市生まれ。中央大学法学部政治学科卒業後、1982年に松下政経塾に入塾(第三期生)。その後、1984年7月に株式会社文藝春秋に入社。『諸君!』編集長、出版局編集委員などを歴任。2016年9月に文藝春秋を退職し、ワック株式会社に移る。現在、「歴史通」および書籍編集長。松下政経塾塾友・塾員。文藝春秋社友。いくつかのペンネームによる執筆活動・著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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