出版社内容情報
生活から経済まで国の基盤を支える電力。東日本大震災・福島原発事故によって脆弱な日本の電力態勢の実態がさらけだされた。原油・LNGの国際情勢に翻弄される火力、事故収束も見えず再稼働と膨大な廃棄物の問題に揺れる原発。隙を突いてくる米、露、仏そして超国家メジャーたち。日本の電力はどうなるのか。誰がそれを支えているのか。明治の電力草創期から大戦期、占領期から現在で繰り返された官と民の果てなき支配権争いの歴史的経緯をふまえつつ、電力供給という現代の怪物の実相に迫る。
資源なき国のかたち
・電力源は国家の支柱である
・プーチンからの招待状
・資源を武器にする国家戦略
原発事故がむきだしにしたもの
・オバマと原子力
・三〇〇〇万人避難の危機
・日本が他国の原発を監視すべし
・世界一高額でLNGを買う日本
「原発稼働ゼロ」のゆくえ
・エネルギー・ベストミックス
・「国民的議論」で何か話し合われたか
・使用済み核燃料を四六都道府県に
電力支配をめぐる闘争
・日本発送電株式会社の誕生
・国家総動員法で大国策会社へ
・GHQによる解体、再編成
・マッカーサーと吉田茂
脱石油から原子力へ
・中曽根康弘、正力松太郎、河野一郎
・GEかウェスティングハウスか
・福島第一原発の建設
・止められない核燃料サイクル
牙をむくグローバリズム
・アルジェリア人質事件と
ウラン権益
・オバマが強調する「核の傘」
・増え続けるプルトニウム
・安倍・プーチンの首脳会談
【著者紹介】
1959 年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。著書に『田中角栄の資源戦争』(草思社)、『原発と権力』『インフラの呪縛』(ともにちくま新書)、『放射能を背負って 南相馬市長・桜井勝延と市民の選択』(朝日新聞出版)、ほか多数。
内容説明
「官」対「民」の歴史的経緯を検証し、国際資源戦争の大渦に呑まれる日本のエネルギー政策の矛盾と課題、先行きの見えないその行方を問う。海図なきエネルギー政策はいま、どこに向かっているのか?
目次
プロローグ 海図なき航海
第1章 国のかたちを決める資源―揺れるエネルギー供給体制
第2章 シェール革命の大渦のなかへ―フクシマ、オバマ、米国産LNG
第3章 「原発稼働ゼロ」のゆくえ―「国民的議論」は何だったのか
第4章 電力支配をめぐる闘争―統制を壊す「電力の鬼」
第5章 脱石油と原子力―「ファウスト的契約」のツケ
第6章 牙をむくグローバリズム―資源獲得と原発輸出のはてに…
著者等紹介
山岡淳一郎[ヤマオカジュンイチロウ]
1959年愛媛県生まれ。ノンフィクション作家。東京富士大学客員教授。「人と時代」「21世紀の公と私」を共通テーマとして、近現代史、政治、経済、建築、医療など分野を超えて旺盛に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
okadaisuk8
Yoshiki Ehara
やっとも
Great Eagle