出版社内容情報
アメリカの大学では、ジェネレーションX(十九六〇年代後半から八〇年代に生まれた者)による、大学の学級崩壊現象とでもいうべきものがうまれている。学力崩壊ももちろんあるが、それ以前に大学教育いう高等教育システムそのものが壊れつつあるのだ.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』321頁、より)。
内容説明
「アメリカの大学生はよく勉強している」の大ウソ。甘やかせば授業にならない。きびしくすれば学生による授業評価でクビになる!現役カレッジ教師によるショッキングなレポート。
目次
序章 奇怪にして陰惨な大学教育の現実
第1章 あこがれの大学教師
第2章 「なんか俺に面白いこと言ってみな」
第3章 学生に酷評された教師の運命
第4章 よいカレッジ教師になる方法
第5章 「もう大人なんだぞ」
第6章 すべての学生が平均点以上の場所
第7章 マジメな学生は嫌われる
第8章 われらが学術水準を救おう委員会
第9章 大学でお砂場実験
第10章 これからの大学にできること
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
柳田
11
内田樹の『下流志向』を彷彿とさせる内容で、タイトルから想像したのとは少し違った。単に勉強しない、態度の悪い学生について書いたものかと思ったら、「ジェネレーションX」なる、現代の新しい学生の生態を描いている。まあしかし、訳者の解説にあるように、日本においても林達夫が書いたような、昔からいる単に不真面目な学生の話でしかないようにも思える。が、これはアメリカの三流?大学の話だが、少なくとも日本では、旧帝大レベルの大学でも大衆化が進んでいて、その心性は偏差値問わず共通しているのかな、とかも思わないではなかった。2018/02/27
Nobu A
6
前半は独善的で辟易。後半は随分客観的になり、着地点が焦点。ほぼ一気読み。色んな意味で興味深い。極端だが自分の名前が書ければ、合格する大学は日米に存在する。大学進学者が少なかった以前は成績に対して大変厳しかった。しかし、全入時代は学生のレベルに応じた到達目標を設定し、達成すればAと言う契約書的意味合いに変わったシラバス。そもそも教師の役割は生徒の能力を最大限に引き出すこと。同情及び同意する部分はあるが、自分の周りだけの話が多く、主観的で一般化出来ない。長期夏季休暇も休みでなく、研究に充てるのが大学教授。2021/12/25
東側ギャン
3
アメリカの大学生は勉強してるって言った奴出てこいよwまあそれはともかく筆者も主観が強すぎて、ジェネレーションギャップと勉強ができないを履き違えてる可能性あり。懐古主義が強すぎるのであくまでもこーゆー見方があるんだという感じで読むのがベター2010/01/01
狐
1
耳と心を痛めながら読了 内容としては、今呼んでも今更感があるのだけれど、愚痴らずには居れないのも分かってしまうしなぁ 2018/08/07
Joao do Couto
1
アメリカの大学生もあまり勉強していない、というか大学生のあいだに学力のばらつきがあるってことなのかな、と思いました。自分も学力が低いくせに、授業に文句をつけていた典型的な学ばない学生でしたねぇ。2012/09/12