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出版社内容情報
チョムスキーが激しく問うブッシュ政権とメディアの欺瞞。
内容説明
産軍複合体を背景として政府に都合のよい国民的コンセンサスを捏造する―それが主流メディアの役割だ。暗黙のうちに張りめぐらされた「教化システム」を暴き、メディア・大企業・政府による専制支配を読み破る、チョムスキーの真骨頂。現代社会への鋭利かつ根本的な分析と批判。
目次
何が主流メディアを主流にするのか
「中東は嘘をつく」
防御的攻撃
日曜版―休ませてくれない一日
民主主義という文化について
第三世界、第一の脅威
「民主主義への渇望」
非暴力の使徒
UN(国連)イコールUS(我ら米国)
追伸「モイニハンの木馬に乗る」
われらの「倫理目標意識」
「われら人民」
平和をもたらす
責任の重荷
スターリニズムの死と生
毒の除去
「鬼畜のごとき行為」
政治的に適性なる思想警察
安らかに眠れ
おきまりの階級闘争
著者等紹介
チョムスキー,ノーム[チョムスキー,ノーム][Chomsky,Noam]
1928年生まれ。マサチューセッツ工科大学教授。生成文法理論により言語学に革命をもたらす一方で、アメリカ政府の政策やメディア・コントロールに対するラディカルな批判者として知られる
本橋哲也[モトハシテツヤ]
1955年東京生まれ。東京経済大学教員。専門はイギリス文学、カルチュラル・スタディーズ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
3
プロパガンダはある事態を無視し消去するための「合意の捏造」(W・リップマン)を産業として特化する。湾岸戦争時のメジャーメディアはトルコ人のクルド人暗殺にほぼ言及しないことでトルコ政府支持を暗に表明した、と著者はいう。本書は権力者の言葉をそのまま採用しつつ、その言説の矛盾や曖昧さによって体制内の力関係まで洞察するほど緻密な新聞資料の分析に貫かれている。ただし、前半は雑誌掲載での短信形式のトピックの説明が主であり、後半にアメリカのメディア産業がテクノクラートの意思決定や富裕層の擁護を担う構造の説明が含まれる。2017/05/12
左手爆弾
3
アメリカにおけるプロパガンダの根深さを痛感する。知的階級であっても、出世のためにはとにかくメディアや政府に対して無批判であることが第一である。このプロパガンダなる言葉は、始めはアメリカが使い、決して悪い意味ではなかった。しかし、やがてはナチズムやソ連の社会主義に対する否定的な文脈で用いられるようになり、現在のような悪い意味になった。アメリカのメディア界の重鎮たちは、昔から、民衆を民主主義の参加者ではなく、傍観者、観客であることを望んでおり、それはこの本が書かれた時代とほぼ同様である。2015/02/16
ZEPPELIN
3
チョムスキー曰く、アメリカのメディアは政府ベッタリである。権力のチェックなど期待してはいけない。特にニューヨーク・タイムズ。またチョムスキー曰く、アメリカがやってきたことは、民主化主義という名のテロと経済制裁である。アメリカは無条件で善であり、例えばイスラエルは中東のアメリカ支局であるため、善である。その他は場合による。話が簡潔で素晴らしい。問題は訳者の日本語で、「ユダヤの文化的経済的が支配するニューヨーク」のような文章が少なくない。存在しない日本語を読まされるのが一番の難点2015/02/11
Francis
2
アメリカの優れた知識人の一人であるノーム・チョムスキーが1990年代にアメリカのメディアが湾岸戦争などアメリカの外交、戦争をどのように正当化してきたかを批判。時代が変わっても、また国が変わってもメディアの立場が殆ど変わらないことには怒りを通り越してあきれ果ててしまう。2012/04/24
穂積
1
要再読。ことば巧みな印象。2011/09/27