内容説明
精神分析の話をさせたら、その面白さにかけて右に出る者のいない著者が、フロイドに初めて真正面から挑む。自らの生い立ち、母との愛憎などを素材として、ユニークな「自己分析」を展開、フロイド理論の基礎から核心までを具体的にあとづけ、「本能の壊れた動物」としての人間精神の深奥に迫る。
目次
フロイドとの出会い
強迫観念と行為化
目立ちたがり
自己分析
反復強迫と転移
恩着せがましさ
対象選択
現実喪失
現実喪失と固着
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ant
1
個人的体験に即して書かれているところが良いなと思ったけど内容が濃く重いだけに読んでいる間に疲れてきた。他者を自分が投影された鏡として観察すればある程度自己分析もできる、というところが特に印象に残っている。2014/11/06
v&b
0
フロイド入門のつもりで読んだが、相当に個人的な内容。岸田が、内在的にどうやってフロイドを掴んだかが書いてある。小此木さんのものと読み合わせると丁度よいのかな? 読んでみよう。後半は集中力を欠いた読書になってしまったま、しかたない。次行こう次。2011/06/29
SAHARA
0
読んだ。2021/07/28
bittersweet symphony
0
90年に「IMAGO」誌に連載されていたものをまとめた単行本(91年刊)が95年に文庫化されたもの。岸田秀(1933-)さんが自身を素材に、フロイトの著作をメインツール、岸田唯幻論をサブツールとして自己精神分析していく内容で、結果的にフロイトの精神分析用語の解説的な体裁にもなっているという形。そんなわけで岸田さんと(育ての)母親との関係の記述が8割方を占めるわけですが、これはお膳立てからいってそうならざるを得ないところ。2013/03/10