現代思想 〈2019 6(vol.47-8〉 特集:加速主義-資本主義の疾走、未来への〈脱出〉

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  • サイズ キク判/ページ数 246p/高さ 23cm
  • 商品コード 9784791713820
  • NDC分類 105
  • Cコード C9410

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マープル

9
「暗黒啓蒙(抄)」(ニック・ランド)のみ読了。新反動主義のひとつのマニフェスト的文章。ブログで発表されたものというのが時代を反映している。絶対善に見える啓蒙主義へのアンチテーゼ。アメリカのオルタナ右翼(Alt Right)運動(さきの米大統領選での広範なトランプ支持の動向が代表的)とも連動する。先鋭になるのは「反動」であることよりも、優生学的遺伝子改変を肯定してまでも、民主主義や国民国家を否定し、「人間」であることを超えていこうとするところ。正直言って、不気味な思想である。2020/05/11

マープル

7
冒頭の討論、”加速主義の政治的可能性と哲学的射程”のみ読了。加速主義とは、資本主義の発展スピードを早めて、技術的シンギュラリティに到達することで資本主義を乗り越えるという発想・思想をいう。予備知識が不足しているので難しかった。基本にはマルクス思想があり、やはりそのへんは押さえておかなければならないのだなぁと思った次第。加速主義にも右派と左派があり、やや面倒。先端の電子音楽(Vaperwave)と深い関係があるという指摘は興味深いが、まったく知らない領域なのでなんとも2020/05/10

午後

6
一通り読んで混乱した頭で冒頭の対談を読むと、主要な論点がすっきり整理されていて理解が深まる。資本主義の脱領土化のプロセスを極限まで推し進めることで資本主義は自壊する、というのが加速主義右派左派に共通の前提であるが、本当にそうなのか、という点はきちんと検討されなければいけない。また、左派加速主義が主張する労働の完全な自動化による人間の解放というのは、「完全な」という部分が不可欠であって、不完全な自動化はさらなる抑圧と人間疎外を生むだけであり、やるなら徹底的にやる必要がある。2022/10/06

プロムナード

4
その名の通り冒頭からアクセル全開で笑う。この嵐の中核に立つニック・ランドは、噂話を聞く分には超絶面白いけど、本人に会うとヤバすぎて目を合わせらんないひと、って感じ。それぞれ書き手の疾走感、中二感にあてられがちで、刊行当時ならもっと臨場感があっただろう。木澤佐登志のマーク・フィッシャー私論などかなり胸熱。地に足ついたユク・ホイも印象的だった。「異種性の持つ変革的な力」を理解すること。締めも良かった。「資本主義の強化や打倒は表層的なものであり、これは人間と機械への存在論的な問いなのだ」!2022/03/13

Mealla0v0

3
加速主義とは、資本主義のプロセスを加速することで資本主義自体を内破しようという運動だ。この運動は政治からのイグジットを目指す。テクノ資本主義の全肯定。それはある意味で、政治を美学化しようという試みである。したがって、わたし達にはこれに対し新たな美学を提示すること、そしてその美学を政治化すること、これらが要請されている。新たな美学とは、さしあたり未来をめぐる見通しだと言えようが、これには困難が付きまとう。左派加速主義の隘路はそのようなものだ。「ならば、あるべき未来」よりも「あるかもしれない未来」に賭けたい。2019/06/19

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