内容説明
雪に覆われた北アルプス霞沢岳で拾われた持ち主不明のカメラをきっかけに、豊科署のベテラン刑事・道原伝吉は、一年前の遭難事故との関連を調べ始めた。そして、フィルムに写っていた風景から、遭難死した男には同伴者がいたものとみて、自然落石死から殺人へと捜査を切り替え、被害者の山友だちを事情聴取したが、いずれも完璧なアリバイがあった。山という密室での完全犯罪は成立するのか？穂高連峰、槍ヶ岳、上高地―山を愛する人々を魅了してやまない北アルプス南部で起きた血なまぐさい事件の謎を信州・豊科署のベテラン刑事が丹念な捜査で解き明かす傑作山岳ミステリー集。
著者等紹介
梓林太郎［アズサリンタロウ］
昭和８年、長野県生まれ。サラリーマン、調査会社経営を経て文筆業へ入る。昭和５５年に『九月の渓で』で第３回小説宝石エンタテインメント大賞を受賞し、以後、豊富な登山経験をいかした山岳ミステリーを発表し、人気を博する。作品は『安曇野・乗鞍殺人事件』など刑事・道原伝吉シリーズをはじめ『札幌殺人夜曲』など多数
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