内容説明
伊沢屋のおかみが消えた。が、三日後、ひょっこり帰ってきた。やつれてはいたが、一層凄艶さを増して…。清爽な情感を秘め、磨き抜かれた名品11編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山内正
4
本家筋へ今日娘を嫁がせた 客の利助さん老けてたねと話を 娘を心配する女房も四十三 お前一度だけ家を開けた事有ったね 言い訳聞いた事あってが あの時だけは違うと ほんと怒ら無い? と変に生々しい 清七さん覚えています? 人当たりの良い商売上手の 店の金を使い辞めてった男 で家に行ったの 一緒に暮らそうって言われれば それもいいかとね 女がいたのさ お前さんも子供も頭に無かったよ この女がね、ひっそり二十年もと 横顔を見る 2020/09/11
山内正
3
仕事が有るのにと信蔵は 姐さんいたんじゃ言いにくいよ お父っつぁん見つかったよ 十八年 になる どうする、ほっとく? でも信ちゃん昔のままならと 姉が話出す 俺が会ってくるよ 火掻き棒で炊き口を掻く 俺だよ信蔵だよ 有り難ぇ話だが 会えただけで十分だ 引き取るって言ったのね、ふーん 三月が経った どうって事なかった ねと 私の家に金を借りに来たよ留守に もう借金はねぇよ 後を付けた、賭場に入る 出て来た男二人に、話にならねぇと 父の声が 男が匕首を抜き掛かって 取っ組み会う飛び出して助ける、 疫病神だ 2020/09/04
けいこん
2
江戸時代かな。市井小説短編集。すごく読みやすくて、面白かった。テレビドラマを見ているようにスラスラ読めるのに、なんか、深い。2014/12/27
笑顔千両
1
藤沢周平珠玉選②、短編集。今回も良かったです・・・、人間のどうしようもなさが語られていて、自分に照らして後悔や反省とともに深い吐息がでました。2014/04/27
みょん
1
★★★★ やはり何度読んでも藤沢氏の作品は飽きない。 短い話のなかに、人の機微や生が凝縮されている。年明けには良い作品を読みたくて藤沢氏をチョイスしたが、しばらく著作再読にハマろうかなぁ。もうこの人別格だから(笑)2012/01/05