内容説明
平安貴族社会の実相や内外出典の説明、江戸時代初期の源氏物語挿絵をふんだんに添えて母恋いと予言とをモチーフにする54帖全編を隈なく見渡し、わかりやすく作品論を展開する。かつ作者紫式部の真情にも肉迫する。
目次
源氏物語への招待(少女の物語への憧れ;老尼の物語)
源氏物語の物語(光源氏の誕生と運命;雨夜の品定め;若紫の登場と藤壷中宮;葵上との不和;須磨から明石へ;絵合の絵日記;六条院の造営;柏木の恋と死;紫上の晩年;宇治の山里;薫と匂宮;浮舟の救い)
作家としての紫式部(物語の執筆;物語の構想;紫式部の女房生活;女房の処世術;内裏への献上本;盗まれた物語;紫式部の憂愁)