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内容説明
現役の女子大生で売れっ子の高級娼婦「シンシア」―それが私。私の部屋には、さまざまな男が訪れる。いたぶられて悦ぶ男、偽名を次々に変えていく男、触れもせずマスターベーションする男、70歳をすぎた老人、140キロを超す巨大な男、etc。20歳の若さと美貌、その一方で倦み老いてゆく心…精神分析医にもかかっているが、私の望みはたったひとつ。もっと美しくなること。いつまでも永遠に若くいること。そう、私はいつも、手に入らないものだけが欲しいのだ。カナダ・ケベックに実在する娼婦による、赤裸々な告白!衝撃のノンフィクション。
目次
1 娼婦の心構え
2 客を待つ部屋
3 客という名の男たち
4 母という名の女
5 父という名の男
6 両親という名の男と女
7 分析医という名の男
8 拒食症の少女
9 友達という名の女たち
10 永遠に若くきれいでいたい
著者等紹介
アルカン,ネリー[アルカン,ネリー][Arcan,Nelly]
1975年、カナダのケベックで生まれる。現在は、モントリオールで文学を専攻する大学生。『キスだけはやめて』で作家デビュー
松本百合子[マツモトユリコ]
上智大学仏文科卒。翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
121
原題は『putain』=英語のbitch。20歳すぎで自ら男の欲望を処理する場に身を置く主人公。彼女の分裂した哀しみからくる喘ぎが溢れ出ている。生後数ヶ月で亡くなったために親の愛を独り占めにし、母を廃人に追いやった姉。その母の世話をする父も死んだ姉に奪われている。自らの存在意義を男性を勃起させ射精することにしか見い出せず、肌の合わせる面積が最小になるようにと四つん這いの体位を好む主人公を描いたこの美しいカナダ人作者は、これが出版された約10年後に自死。彼女の人生は映画化されたようだ。2018/01/17
まゆこ
0
★★☆☆☆2006/06/17