内容説明
時間は物語のかたちで分節されるに応じて人間的な時間となり、物語は時間的実存の条件となる時にその完全な意味に到達する…。『失われた時』『魔の山』などのフィクション物語を取り上げて、虚構の時間経験が真の体験となる道筋をたどる。
目次
第3部 フィクション物語における時間の統合形象化(筋の変容;物語性の記号論的拘束;時間との戯れ;虚構の時間経験)
著者等紹介
リクール,ポール[リクール,ポール][Ricoeur,Paul]
1913年南仏ヴァランスに生まれる。第二次世界大戦に動員され、1945年まで5年間捕虜収容所生活を送り、その間にフッサール『イデーン1』を仏訳。戦後ストラスブール大学、パリ大学哲学教授を経て、パリ大学ナンテール分校に移る。1970年より20年間シカゴ大学神学部教授を兼任した。現代フランスの解釈学的現象学の代表的哲学者
久米博[クメヒロシ]
1932年生まれ。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文研究科博士課程満期退学。1967年ストラスブール大学プロテスタント神学部大学院修了。同大学宗教学博士。桐朋学園大学教授、立正大学教授を経て、現在、立正大学講師
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