SMBG(血糖自己測定) - 糖尿病患者のQOLをたかめるコツ

SMBG(血糖自己測定) - 糖尿病患者のQOLをたかめるコツ

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  • サイズ A5判/ページ数 76p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784787813688
  • NDC分類 493.12
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 序 文
 1986年血糖自己測定(SMBG)が保険適用となってから約18年経ちました.初めは簡易的に血糖を測るというところからスタートした簡易測定器も,時とともにSMBGの機器として患者さんの自己管理・治療の一手段として普及してきました.
 私自身は1994年10月,国家公務員共済連合会斗南病院内科より札幌社会保険総合病院糖尿病内科に転勤となり,以後,札幌社会保険総合病院の糖尿病チームのスタッフとともに糖尿病患者さんの治療に携わってまいりました.この間,SMBGは治療の最も強力な患者指導ツールのひとつでした.われわれの基本は常に「SMBGを利用し糖尿病患者さんの治療と生活の質をあげるにはどのようにしたら良いか」でした.この考えを基本として,当院独自の指導法を模索し,試行錯誤を行い,徐々にわれわれの手法も成熟してまいりました.
 ここ数年,医療を取り巻く環境は急速に変遷し,クリニカルパス,包括化医療などが進められようとしています.糖尿病治療・指導も例外ではありません.そこで,一度患者さんの立場で立ち止まり,われわれの約10年間をまとめてみようと思いたちました.われわれの行ってきたことをご紹介させていただき,他の医療機関で,さらに発展させていただければありがたいと思います.
 本執筆にあたって,この10年間ともに苦労した糖尿病チームの仲間たち,栄養部のスタッフとくに中川幸恵課長補佐,小松信隆係長,看護部,薬剤部,検査部,リハビリテーション部,ME部,事務部のスタッフに感謝致します.また,本書の出版の機会を与えてくださった診断と治療社編集部久次武司部長ならびに小池さつき氏に深謝申し上げます.
2004年1月 小野 百合    

《目次》
序文
はじめに 糖尿病治療を大きく変えたSMBG
1.SMBGを利用し食事療法のストレスを軽減する
2.SMBGを利用し行動改変
   自分の生活習慣の問題点をさがす
   ただ機械的に測定しない
   SMBGを利用し行動改変
3.チーム医療とSMBG
   自分の現状を知る
   目標をきめる
4.低血糖の回避,低血糖不安をとる
   低血糖への不安
   低血糖の自覚症状がなくなる
5.血糖予測
   血糖予測とは
   低血糖予測ノート
   食事血糖予測
6.カーボカウンティング
   カーボカウンティング
   カーボカウンティングを利用して食後血糖を予想する
   血糖指数(glycemic index:GI)
7.その他のSMBGの目的
   通院間隔を延ばすことや遠隔地からの通院を可能とする
   シックデイ
   血糖の日内変動を知る
8.SMBGで使用される簡易血糖測定器
9.精度管理
   まちがった値では何もならない
   測定温度の影響
   妊婦の例
   前腕など代替場所からの採血について
10.SMBG自身がストレスとならないために―詐称などの問題
11.簡易測定器の種々の付属品
   データ解析ソフト
   e-SMBG
   視力障害者のための音声ガイド装置
   片手操作の可能な付属品
   使い捨ての穿刺器具
12.より無痛・非侵襲なSMBGへの将来的展望
   採血時の痛み
   北海道大学応用電子研究所の試み
おわりに
付録1 糖尿病コントロール入院クリニカルパス
付録2 SMBG機器一覧表
コラム
1.SMBGのみで血糖コントロールが改善し,SU薬の必要量も減った例
2.チーム医療により在宅医療を可能とした痴呆女性例
3.無自覚性低血糖で交通事故
4.焼き肉パーティーで低血糖となった例
5.食事量,時間ともに不規則な例
6.SMBG値とエネルギー消費量より補食量を調整している例
7.SMBGのため血糖値が気になり,食事量が低下し,体重減少をきたした例
8.低血糖を隠す例
9.80歳以上でもSMBGは覚えられる,外来でインスリン導入できる