シリーズ臨床研修医指導の手引き
精神科

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  • サイズ A5判/ページ数 187p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787813381
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 文
2004年度から始まる新医師臨床研修制度ではすべての医師がスーパーローテート研修をすることが義務づけられたが,2002年9月にその必修科目に精神科が含まれることが突如として決定された.つまり,すべての医師が精神科の研修をすることが義務づけられたのである.これは歴史的なことであるが,数年以上経過してから,その意義が評価されることになる.
さて精神科関係の七つの団体から構成される精神科七者懇談会では,各団体からの委員で構成される“精神科卒後研修問題委員会”を1999年に設置し,関係各所に精神科研修の必要性を要望してきた.そのなかでは,一般科の外来患者の10~30%,入院患者の30~40%には何らかの精神疾患が合併していること,WHOの共同研究によればわが国の一般医がうつ病を診断できる割合は諸外国に比べて極端に低いこと,医療事故や医療訴訟が急増してきた昨今,これまで以上に良好な患者-医療関係の樹立が必要になってきたこと,医師にはインフォームドコンセントなどこれまで以上にコミュニケーション技法が重要視されるようになってきたこと,などを根拠として,然るべきエビデンスを沿えて,精神科研修の必修化を要望してきた.
それも一因にはなったであろうが,2002年9月に精神科必修化が決まったときに,精神科医らは一様に“よかった”と思った.しかし,そのすぐ直後からは,“では一体どのように教えたらいいのか?”という新たな悩みが生じたのである.そのため精神医学関係の雑誌では,研修の特集記事が一斉に組まれてきたのである.各研修施設の精神科研修担当者は,その研修プランの大枠は決まったものの,依然として不安を抱えたまま“その日”を待つことになった.
本研修制度には,たとえば研修期間の短さに比べてレポート提出の疾患数が多いことや,その対象疾患についての疑問など,現実的な問題点はあるのも確かである.しかし,ともかく新医師臨床研修制度は始まるのである.その意味では,本書は,全国の卒後研修施設の研修委員長や精神科研修担当者を意識して,すべての研修医に具体的に精神医学の何を,どのように教え,どのように評価していくのかを,他書に先駆けて詳しく述べたものである.
はじめてのことなので,各施設でも困惑したり混乱したり,試行錯誤を繰り返すだろうということは容易に想像される.しかし,すべての医師に精神科的な知識や技術を教えることは,医療全体の質を向上させるという大きな目標を目指したものである.本書をキッカケにまずは精神科の研修を始めていただき,その後の経過のなかで,様々な修正をしていただくための“叩き台”の役目が果たせれば著者一同このうえない喜びである.    

《目次》
序  文
第1章 オリエンテーション
A 精神科卒後研修の特徴・ポイント
B 研修モデル
C 外来・病棟での注意
D 当直での注意
E 診療べからず集
F 医療事故への対応
第2章 研修で学ぶべき技能
A 医療コミュニケーションスキル(総論)
B 向精神薬療法
C 精神療法
D 精神保健福祉法
第3章 研修で学ぶべき知識
A 4SADsとは
B 睡眠障害(sleep disorders)
C 自殺(suicide)
D 身体表現性障害(somatoform disorders)
E 二次性精神疾患(secondary psychiatric disorders)
F 不安障害(anxiety disorders)
G 向精神薬の副作用(adverse effects)
H アルコールおよび物質関連障害
   (alcohol & substance related disorders)
I 適応障害(adjustment disorders)
J うつ病性障害(depressive disorders)
K せん妄(delirium)
L 痴呆(dementia)
M 妄想および幻覚(精神病症状)(delusions & hallucinations)
N 患者・家族の心理理解と対応(1)―悲哀の仕事と対象喪失
O 患者・家族の心理理解と対応(2)―認知行動療法
P 患者・家族の心理理解と対応(3)―対応困難な患者
第4章 ケースレポート
A 痴呆(脳血管性痴呆)
B 気分障害(うつ病)
C 統合失調症
D 不  眠
第5章 研修医の評価法
A 過去のわが国における卒後教育システムの問題点
B 新しく開始される卒後研修システムの在り方と“評価”の問題点
C 精神科における卒後研修の評価方法
D 評価システム小委員会の動向
E 今後の課題
索  引
事項索引
薬品名索引