出版社内容情報
人と狐と自然と──。古来から生活する人々のそばに添いつづけてきた狐様。火事を知らせ、道案内もする狐から、祟り、人を異次元に引き込む狐まで、世相の変貌とともに語り伝えられてきた狐をめぐる噂話・世間話を集成した動物民話集。
1 狐と人との交流
(1)狐と人との交流
(2)狐のたのみごと・たのまれごと
2 狐のパフォーマンス
(1)狐の火
(2)狐の音まね
(3)狐のパフォーマンス
3 化ける
(1)自然現象をおこす
(2)妖怪に化ける
(3)いろいろなものに化ける
(4)家などに化ける
(5)汽車などに化ける
4 化かされる
(1)歩きまわって
(2)そのあげく
(3)狐にとられる
(4)金は木の葉
(5)女や子供に化けて
(6)男に化ける
(7)死んだ人に化ける
5 狐と人との攻防
(1)狐捕り
6 狐の霊威
(1)狐の霊威
(2)戦争と狐
7 こわい狐
(1)こわい狐
解説
内容説明
古来より生活する人々のそばに添いつづけてきたキツネ様。「火事を知らせ、道案内もする」狐から「崇り、人を異次元に引き込む」狐まで、近代の世相の変貌とともに語り伝えられてきた狐をめぐる噂話・世間話を集成する動物民話集。
目次
1 狐と人との交流
2 狐のパフォーマンス
3 化ける
4 化かされる
5 狐と人との攻防
6 狐の霊威
7 こわい狐
感想・レビュー
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kunugi
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民話から時代を下って「世間話」、明治以降に巷間でささやかれた噂話の集成。その数300話余り、ほとんどが明治〜昭和初期のものだけど、直近では昭和62年の話も。列車に化ける狐、戦時中に託宣を下す狐などのテーマを目にするたび、遠い江戸やそれ以前の昔話ではなく、今を生きる自分と地続きの時代に「狐」が跋扈していたことを思い知らされる。とりあえず、恐怖や不安や後ろめたさといった心の隙間に滑り込んでくるのはやはり狐。土産のご馳走をつまみ食いした言い訳に狐を利用した人、この中に何人いるだろうと笑いながら読んでいた。2017/02/15