内容説明
山川均と社会主義協会を発足させ、高野実との論争、スターリン批判への論評など戦後労農派の立脚点を定めてゆく。また九州大学教授として若手学究、労働者を相手に多くの『資本論』研究会を組織し、その感化力は無数の人物を育んだ。三池炭鉱労働者に沈潜し60年闘争をはじめ終生三池と共にあり、社会党の諸論争にも論陣を張った。その理論と行いを一致させる姿勢は世の毀誉褒貶の嵐も呼んだ。また宇野弘蔵との緊張も生んだが、それについて通説とは異なる照明があてられる。上巻を含め、向坂をめぐる人びとの『資本論』との格闘と猛烈な相互批判は、資本の衝動が19世紀を再現したかのような今の時代の読者に大いに刺激となるであろう。
目次
第8章 左派社会党とともに
第9章 スターリン批判をはさんで
第10章 六〇年三池闘争前後
第11章 構造改革論争、『マルクス伝』
第12章 社会主義協会の発展
第13章 最後の奮闘
第14章 最晩年
著者等紹介
石河康国[イシコヤスクニ]
1945年生まれ。社会主義青年同盟、社会主義協会、新社会党などにたずさわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズキパル
1
三池争議を筆頭とした戦後の労働運動や、社会党左派に大きな影響力を与えた、社会主義協会の首領とでも称すべき経済学者の評伝。戦後史への興味から、下巻だけのつまみ読みとなってしまった。60年代半ば以降社会主義協会は「マルクス・レーニン主義」を公称し、プラハ事件へのソ連の介入も擁護する等「親ソ」的な側面が強くなっていくが、その背景としては、ソ連に対し慎重な見方をしていたバランサーである山川均を失ったことにも触れている。かつて親交の深かった荒畑寒村や宇野弘蔵らとも、理論や価値感の違いで仲違いしていく様子が寂しい。2024/06/29