内容説明
“フェティシズム”とは、神と人間(信徒)との間の“創造・被創造”および両者の地位をめぐる転倒現象をさしている。この語をやがてマルクスは経済学に応用し、デュルケムは社会学に、フロイトは精神分析学に、それぞれ応用するようになった。そのように多様な使用方法のあるフェティシズムを、本選集では先史の精神(母権・神話・儀礼など)から現代思想(ロボティズム・近代の超克・アソシアシオン・フクシマ以後の科学論ほか)までの分析に応用している。
目次
フェティシズムと現代思想―私のフェティシズム研究史
ピエ・フェティシズム―ド・ブロスとフロイトの峻別
ラテン語訳旧約聖書におけるpilosusの解釈をめぐって
フォイエルバッハの現代性―Sache(事象)とBild(形像)との関係をめぐって
フォイエルバッハとフェティシズム
聖書の神話的解釈とフェティシズム―シュトラウスを論じてフォイエルバッハに及ぶ
キリスト教のなかの原初的信仰―マルクスを論じてフォイエルバッハにおよぶ
マルクスの原始フェティシズム理解―ド・ブロス著『フェティシュ諸神の崇拝』(一七六〇)摘要“一八四二春”の解明
フェティシズム、または演出される自己同一
フェティシズム、あるいは変容する身体観
性道徳のフェティシズム―近親婚タブー発生に関する諸学説を手がかりに
シャルル・ド・ブロスとその時代
著者等紹介
石塚正英[イシズカマサヒデ]
1949年、新潟県高田市(現上越市)生まれ。最終学歴:1981年3月、立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学。最終学位:2001年2月、フェティシズム研究で博士(文学)取得(立正大学大学院文学研究科哲学専攻)。専門分野:歴史知学、社会思想史、比較文明論。現職:東京電機大学理工学部教授、NPO法人頚城野郷土資料室理事長。これまでに非常勤講師として、立正大学、関東学院大学、専修大学、明治大学、中央大学などで社会思想史、西洋思想史ほかを講義(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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