内容説明
日中戦争から連合赤軍事件まで、「ドストエフスキイの生活」から「本居宣長」まで、時代の衝迫のなかに身を置きながら近代批評を鍛え上げてきた小林秀雄。その軌跡を仮借なくとらえ実効ある思想を浮き彫りにする、原理的考察の到達点。
目次
第1章 日中戦争―「戦争について」「歴史と文学」
第2章 二・二六事件―「ドストエフスキイの生活」
第3章 真珠湾攻撃―「戦争と平和」「近代の超克」
第4章 アッツ玉砕・サイパン玉砕―「無常という事」
第5章 GHQ・憲法第九条―「モオツァルト」「ランボオ」
第6章 朝鮮戦争・五五年体制―「政治と文学」「近代絵画」
第7章 安保闘争・ベトナム戦争―「考えるヒント」「感想」
第8章 六八年革命・連合赤軍事件―「本居宣長」
「物のあはれ」への抵抗―あとがきに代えて