内容説明
今日の代表的詩人を網羅し時代の言葉の可能性を最も遠くまで展望した最大かつ最高度の詩集シリーズ。既刊詩集の全て、数多くの未刊詩篇を収録。主要詩論、クリティック、エッセイなどを収録。多彩な書き下し作品論、詩人論を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
misui
10
潰えた闘争と自身の現実の間で板挟みになり、詩の領域で夢を切り拓こうとしたというのがこの詩人だと思っていたが、読み進むにつれて決してそれだけではないところが見えてきた。夢は日本的叙情へと通じ、立ち止まって野の花に目をとどめるにしても、扼殺された抒情をもう一度検討し直す意図がある。また、情報化社会の文化と言葉の問題を詩に呼び込んで、大きなパースペクティブで戦争をも俎上に上げる。こうした驚くほどの視野の広さは疎かにしていいものではない。現在でも最重要の一人ではないだろうか。2015/01/21