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出版社内容情報
沙野風結子[サノフユコ]
著・文・その他
小山田あみ[オヤマダアミ]
イラスト
内容説明
汝、姦淫するなかれ。強い抑圧の下で生きてきたレンは、かつて自分を誘拐した盗賊のカイルに強いあこがれを抱いていた。野卑な身分でありながらも逞しく生きるカイルは自由の象徴に見えたのだ。だが数年後、貴族然とした身なりで現れたカイルは「お前の人生を踏み躙るためにやってきた」と、憎しみをこめてレンの潔癖を穢す。そんな時、レンを偏愛する錬金術師が、妖しげなものをレンにくれた。それを使えば誰でも操り人形にできるという―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
辺辺
51
沙野作品によく登場する悪趣味なヘンタイ役が今回もでた。イザイって奴ですね、笑。ウィクトリア時代を背景に描く身分差でしょうね。フランケンシュタインから得て きたヒントがまさかこういう形で使われるなんて上手いね。攻・カイルX受・レンは割と開始早々相思相愛なの(そこもかわいくて可愛くて大好きなエピだし)だが、再会後の色々なごたごたを経てようやっとお互いの想いが伝わって、幸せ満足な読後感。それにしても「金の根」の威力が恐ろしいわ。ほんとにあったら嫌だな。あと、絵師・小山田さんのイラストが今回も絶品で、眼福眼福。2016/07/18
そらねこ
36
最近、沙野さんにはまってます♡海外ゴシック小説ではよく登場するピューリタンの義母に禁欲的に育てられるレン。(ピューリタンって厳格すぎて逆に背徳感たっぷりのエロを感じます♡)盗賊団の息子カイルと出会い、大切にされるところが可愛いすぎる♡そんな幼いレンをBLにはめずらしく優しく甘やかし、何もしない!カイルに惚れました(人´ω`*)♡大人になり再会し、何故かカイルは冷たい…とっても萌え萌えしつつ、ファンタジー混じりで楽しく読めました。冷たいけど本当は受けが大好きな攻め!という設定大好きです( *´艸`)2016/07/22
めめめ
34
油絵のように重厚な表紙に惹かれて。あらすじからだと分かりにくいけど英国ヴィクトリアン時代風味のお話。抑圧された(でもスケベなw)受というのは大変好みですが、受攻よりも光っていたのがイザイ様。赤い巻き毛と黒いマニキュアが最高です。2016/07/31
白新名
33
沙野先生らしい作品。ちょっと硬質な処も有りながら、最初は反発しつつも受けのいじらしさと頑なさ、攻めの溺愛ぶりが徐々に発揮されていくところがすごく好き。いろいろ痛いところはあるけど、流れとしては沙野先生の王道と言う気がする。2016/07/22
のこ
32
面白かった!英国ヴィクトリア朝末期、清教徒の継母に躾けられたレンと盗賊団の頭領の息子のカイル、全く異なる価値観で育った2人の恋が、独特の仄暗さの中で描かれていて、お話の世界観はフランケンシュタイン、ジキル博士とハイド氏、といったイギリスゴシック小説の魅力を彷彿とさせます。余談ですが、ゴシック小説の流行にやがて取って代わるのがファンタスマゴリアと呼ばれる幻燈ショーで、ショーで映し出される降霊術に人々は興奮したらしい。錬金術師イザイの魅力はそうした世界観から沙野先生が楽しんで書かれたんだろうなと感じました。2016/08/10