内容説明
「経済」「政治」「社会」はいにかして調和しうるのか。市場の暴走を防ぎ、市場と国家、共同体が調和した社会のあり方を、マルチエージェント・シミュレーションと実証研究をもとに考察する。
目次
交響する社会の構想
第1部 「社会観」の形成(社会編成の三原理―エージェント・シミュレーションによる接近;社会構成体の機制;調和のとれた社会と財政―ソーシャル・キャピタル理論の財政分析への応用)
第2部 「市場原理」の膨張―新自由主義の波及メカニズム(ブリテン保守主義の転回と“非‐政治”の政治術―新自由主義的統治における社会統合問題;「日本型福祉社会」論と企業中心社会の形成;日本における経済的自由主義受容の一断面―1980年代以降を中心に)
第3部 複合的社会の現実的諸相(福祉国家の危機と持続性―「福祉国家の従属変数問題」を通して考える;アメリカ型福祉国家―「小さな政府」を支えるメカニズム;ブラジルにおける参加型予算制度―カルドーゾ政権期におけるポルトアレグレ市を中心に;公益事業の民営化のあり方―フランスとスウェーデンにおける水道事業の比較から)
社会を統べ、合わせるということ
著者等紹介
井手英策[イデエイサク]
1972年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学経済学部准教授。専攻は財政社会学
菊地登志子[キクチトシコ]
1950年生まれ。立命館大学理工学部卒業、宇都宮大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学。東北学院大学経済学部教授。専攻は情報工学、エージェント・シミュレーション
半田正樹[ハンダマサキ]
1947年生まれ。東北大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。東北学院大学経済学部教授。専攻は情報経済論、流通経済論、現代資本主義論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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