出版社内容情報
世界の聖地をめぐる旅を続ける著者。
映画のなかにも「聖地」を見出す。
それは人びとの心のなかで特別な意味を与えられた場所。
「聖なるもの」を経験するとはいかなることか。
約50本の映画をめぐって
スクリーンのなかへ旅をしながらじっくりと考える。
[内容]
第1章 辺境への旅
ピレネーの尾根を越えて 『日曜日には鼠を殺せ』
蠅の目から 『翼よ! あれが巴里の灯だ』
悪の情熱に駆られて
『ホワイトハンター・ブラックハート』
反逆者への挽歌 『アギーレ』など
第2章 歴史への旅
埋葬する子供たち 『禁じられた遊び』
一瞬のお辞儀 『黒い雨』
ハイランドの義賊の墓にて 『ロブ・ロイ』
砦の一八五人 『アラモ』など
第3章 心の奥への旅
嫉妬は醜いか 『晩春』
ひとときの生を輝かせて 『張込み』
物の証し・心の証し 『飢餓海峡』
敗れざるわが魂のために 『インビクタス』など
第4章 恋愛をめぐる旅
心のうちに薔薇色の輝きを 『天井桟敷の人々』
殺し文句のコツおしえます 『リオ・ブラボー』
ジャンヌ・モローにはモノクローム映画が似合う
『エヴァの匂い』
シルヴァーナ・マンガーノの腋毛 『にがい米』
第5章 たたかいと旅
戦争の記憶に向き合う 『グラン・トリノ』
男たちは戻った 『荒野の七人』
まなざしをもって暴力に立ち向かう
『刑事ジョン・ブック』
レジスタンスと制服の心理
『パリは燃えているか』など
第6章 死をめぐる旅
素直な死者はめったにいない 『太陽がいっぱい』
守秘義務のジレンマ 『死に行く者への祈り』
弦の音・風の音 『アッシャー家の末裔』
見えない光のもとで 『処女の泉』など
立野 正裕[タテノ マサヒロ]
明治大学文学部教授。1947年福岡県生まれ。
岩手県立遠野高校卒業後、明治大学文学部入学。
明治大学大学院文学研究科修士課程修了。
英米文学と西洋文化史を研究。
「道の精神史」を構想し、ヨーロッパへの旅を重ねる。
主な著書に
『精神のたたかい?非暴力主義の思想と文学』、
『黄金の枝を求めて?ヨーロッパ思索の旅・反戦の芸術と文学』
、『世界文学の扉をひらく(1・2・3巻)』、
『日本文学の扉をひらく 第1巻』、
『洞窟の反響―『インドへの道』からの長い旅』、
『未完なるものへの情熱―英米文学エッセイ集』(スペース伽耶)
、『遠野物語を読む 2 (リバティアカデミーブックレット)』
(明治大学リバティアカデミー)、
『紀行 失われたものの伝説』『紀行 星の時間を旅して』
(彩流社)等がある。
内容説明
「聖なるもの」を経験する映画のなかへの旅。最短の道を行かず迂回しあえて選ぶ険しい道、眼前に立ちはだかる巨大な断崖…。…世界の聖地をめぐる旅を続ける著者は、映画にも「聖地」を見出す。人びとの心のなかで特別な意味を与えられた場所=「聖地」、それを経験する身近な旅は劇場にこそある。
目次
第1章 辺境への旅
第2章 歴史への旅
第3章 心の奥への旅
第4章 恋愛をめぐる旅
第5章 たたかいと旅
第6章 死をめぐる旅
著者等紹介
立野正裕[タテノマサヒロ]
1947年福岡県生まれ。明治大学文学部教授。岩手県立遠野高校卒業後、明治大学文学部に入学。明治大学大学院文学研究科修士課程修了。その後、同大学文学部教員として英米文学と西洋文化史を研究。反戦の思想に立ち、今日の芸術と文学を非暴力探究の可能性という観点から研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。