出版社内容情報
再生の物語
男と女の再生、農業の復活、廃墟同然だった村の復興の物語……
小川の流れとひとりの女の魔術と力強い犂(すき)が
この再生の物語を支えている。
本作は、「牧神三部作」構成となっていた
第1作『丘』、第2作『ボミューニュの男』に続く、
第3作目の作品である。
再生の鍵を握っていたのは鍛冶屋ゴーベールが作った犂であった。
農業をはじめるには犂が必要不可欠だからである。
また、パンチュルルが農業に目覚めるにはアルスュールとの
出会いと彼女の助言が必要だった。
パンチュルルが滝に流れ落ちることによってはじめて
パンチュルルはアルスュールとじかに知り合うことができた。
水もまた重要な役割を担っているということが了解される。
滝から流れ落ちたパンチュルルは、
今では頑丈な樹木と形容するに足るだけの男に変身している。
パンチュルルの方にアルスュールが誘導されていったのは、
マメッシュが演じた「樹木」のおかげである。
水と樹木と犂とひとりの女の魔術によって
この再生の物語は完成することができたのである。
内容説明
男と女の再生、農業の復活、廃墟同然だった村の復興の物語。小川の流れとひとりの女の魔術と力強い犂がこの再生の物語を支えている。「牧神三部作」の第三作。
著者等紹介
ジオノ,ジャン[ジオノ,ジャン] [Giono,Jean]
1895年‐1970年。フランスの小説家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、「牧神三部作」の第一作『丘』がアンドレ・ジッドに絶賛される。作家活動に専念し、『世界の歌』や『喜びは永遠に残る』などの傑作を発表する。第二次大戦では反戦活動を行う。1953年に発表された『木を植えた男』は没後、20数か国語に翻訳された。世界的ベストセラーである
山本省[ヤマモトサトル]
1946年兵庫県生まれ。1969年京都大学文学部卒業。1977年同大学院博士課程中退。フランス文学専攻。信州大学教養部、農学部、全学教育機構を経て、信州大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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