出版社内容情報
地球を二分割するモンロー・ドクトリンの
発展過程を軸に、
21世紀のアメリカ研究を更新する!
「アメリカ大陸 対 ヨーロッパ大陸」を宣言した
1823 年の「モンロー・ドクトリン」は、
地球という巨大空間を東半球と西半球に二分割するものであった。
グローバリゼーションという地球規模の運動が資本主義的な
均一化を押し進めるなか、その地政学と文化史の連動を
歴史、文学、音楽、映画など多角的なパースペクティヴから解き明かす。
●モンロー・ドクトリンの半球分割
ー地球(グローブ)についてのメンタル・マップ
/下河辺美知子
●黒い半球
ー『ブレイク』におけるトランスナショナリズム再考
/古井義昭
●ホーソーンとキューバー「ラパチーニの娘」、
『キューバ・ジャーナル』、『フアニタ』
/?尾直知
●メルヴィルとキューバをめぐる想像力
ー「エンカンタダス」と『イスラエル・ポッター』に
おける海賊(フィリバスター)/小椋道晃
●「善き隣人」のリズムーラルフ・ピアとラテン音楽、
1933 ? 1945 /大和田俊之
●「長崎の鐘」と(ラテン)アメリカ
ーモンロー・ドクトリンの音楽的地政学/舌津智之
●不確かな半球
ー世紀転換期ハワイにおける日本人劇場建設と
モンロー・ドクトリン/常山菜穂子
●航空時代とアフリカ系アメリカ文学の惑星
ーウォルター・ホワイトのアイランド・ホッピング/竹谷悦子
●南部の西漸と南進
ーゾラ・ニール・ハーストンのクラッカー表象/新田啓子
●近代化された情動
ーカルメン・ミランダとレヴューの終焉/日比野 啓
●モンローは誘惑するーアメリカ最後の一線/巽 孝之
下河辺 美知子[シモコウベ ミチコ]
Michiko Shimokobe. しもこうべ・みちこ 成蹊大学文学部教授。
アメリカ文学・文化および精神分析批評。
著書・訳書・論文
『グローバリゼーションと惑星的想像力:恐怖と癒しの修辞学』
(みすず書房、2015年)、
『トラウマの声を聞く:共同体の記憶と歴史の未来』
(みすず書房、2006年)、
『歴史とトラウマ:記憶と忘却のメカニズム』(作品社、2000年)、
『アメリカン・テロル』(編著、彩流社、2009年)、
『トラウマへの探求:証言の不可能性と可能性』
(共訳編、作品社、2009年)、
『トラウマ・歴史・物語:持ち主なき出来事』
(キャシー・カルース著、訳書、みすず書房、2005年)ほか。
内容説明
「アメリカ大陸対ヨーロッパ大陸」を宣言した1823年の「モンロー・ドクトリン」は、地球という巨大空間を東半球と西半球に二分割するものであった。グローバリゼーションという地球規模の運動が資本主義的な均一化を押し進めるなか、その地政学と文化史の連動を歴史、文学、音楽、映画など多角的なパースペクティヴから解き明かす。
目次
序にかえて モンロー・ドクトリンの半球分割―地球についてのメンタル・マップ
第1部 西半球への入り口(黒い半球―『ブレイク』におけるトランスナショナリズム再考;ホーソーンとキューバ―「ラパチーニの娘」、『キューバ・ジャーナル』、『フアニタ』;メルヴィルとキューバをめぐる想像力―「エンカンタダス」と『イスラエル・ポッター』における海賊)
第2部 ラテン・アメリカからのメッセージ(「善き隣人」のリズム―ラルフ・ピアとラテン音楽、一九三三‐一九四五;「長崎の鐘」と(ラテン)アメリカ―モンロー・ドクトリンの音楽的地政学)
第3部 半球のつなぎ目としての太平洋(不確かな半球―世紀転換期ハワイにおける日本人劇場建設とモンロー・ドクトリン;航空時代とアフリカ系アメリカ文学の惑星―ウォルター・ホワイトのアイランド・ホッピング)
第4部 アメリカの中のモンロー・ドクトリン(南部の西漸と南進―ゾラ・ニール・ハーストンのクラッカー表象;近代化された情動―カルメン・ミランダとレヴューの終焉;モンローは誘惑する―アメリカ最後の一線)
著者等紹介
下河辺美知子[シモコウベミチコ]
アメリカ文学・文化、精神分析批評/成蹊大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。