内容説明
おれの名は武丈。これから勇者になる予定だ。おれのような孤児院育ちでも勇者専門学校なら入学できるし、勇者になれば食っていける。まあ独り立ちだ。自立するため。おれの頭の中にはそれしかなかった。おれは何も知らなかった。勇者の正体も、勇者候補生のきつい日々も、勇者に課せられる使命も、そして、おれを待ち受けている運命も…。おれは出会い、失って、壊し、捨て去って、それでも進むしかない。たとえ行く手に破滅の闇しか見えなくても。
著者等紹介
十文字青[ジュウモンジアオ]
小説家。北海道北斗市出身。『純潔ブルースプリング』で角川学園小説大賞特別賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まろにえ
3
他作品によくある優しくて強くてカッコイイ物語の主人公、彼らと共にある脇役の親友達。きっと彼らだって何もかもを手に入れていく主人公の姿を見せ付けられて思う所があっただろう。顔も頭も強さも敵わない苛められ続けてきた孤児院育ちの『武丈』と太陽のように暖かくて優しくて強い『燈』。勇者になるべく学院に入るも、燈には敵わないどころか苛められ孤立する始末。反骨心をバネに燈すら遠ざけて孤独に奮闘する姿は誰にも認められない。都合良く想いを寄せるヒロインが理解をしてくれるはずもなく、彼女は燈の隣に……胸が締め付けられる。→2015/05/29
れっか
2
中華風?の「勇者」の話。倒すべきは魔物でなくて、異民族とか、めっちゃ強い裏切り者とか、人間だったのが印象的。生きる上での葛藤が苦しいくらい迫ってきて、痛いです。でもだからこそ、主人公の武丈が「生きてる」感じがします。何かを手にかけるって、相手が悪でも立場的に仕方無いことでも、ずっとこびりついて離れないことかな、と思いました。首をはねるって、刺すって、撃つって、息が詰まるし全然カッコ良くないんだな、なんて。他のラノベにない味わいがあります。 ※言うまでもなくヘビーでしたが薔薇マリに慣れちゃえば…ねえ?2015/02/14
東晃
2
最高。一人称語りの醍醐味がある。作中で「武丈」の親だったのは誰か、というのが肝の1つだったと思うけれど、ラストで色々と変わってきそう。続きが楽しみだ 星四つ2015/02/14
ととむ
1
若干この人のこの系統飽きてきた。絶望の底が浅いんだよね、なんか2016/03/31
へいちょー
1
主人公武丈の過酷で残酷な人生の冒頭部分を素早い展開で書いたものですね。そして、武丈の人生はこれからってところ。 初めは勇者の施設での日々を淡々と書かれていただけなので退屈しながら読み進めていたのですが、途中からページをめくる手があまり止まらなくなるほど先が気になる展開が待ってました。十文字さんサイコー。 武丈の苦悩するところはもう本当に素晴らしかった。十文字さんやっぱサイコー。 終盤の方で少々(ほんの少し)だけ、期待を裏切られました。そこはもっと!笑 こなくていーよ笑 次巻出て欲しいです。【S】2015/05/24