内容説明
アフリカのひろい空に、風のつよい夜のこと。ゾウのあかちゃんがうまれました。バオバブの木のように大きくつよくなあれ、というねがいをこめて、バオバブと名づけられました。ところがあくる朝、バオバブはなんと、とうさんゾウより大きくなっていて…。心がさわやかな風にふかれるような絵本。
著者等紹介
今江祥智[イマエヨシトモ]
1932年大阪生まれ。同志社大学文学部英文科卒業。編集者を経て、絵本、童話、小説、エッセイ、評論、翻訳など多岐にわたって活躍している。『ぼんぼん』(理論社)で日本児童文学者協会賞、『兄貴』(理論社)で野間児童文芸賞、『でんでんだいこいのち』(絵/片山健 童心社)で小学館児童出版文化賞、『いろはにほへと』(絵/長谷川義史 BL出版)で日本絵本賞を受賞
長新太[チョウシンタ]
1927年東京生まれ。漫画家としてスタートし、絵本、挿絵、イラストレーション、童話、エッセイなど幅広いジャンルで活躍。『おしゃべりなたまごやき』(作/寺村輝夫 福音館書店)で文藝春秋漫画賞、『はるですよふくろうおばさん』(講談社)で講談社出版文化賞、『ヘンテコどうぶつ日記』(理論社)で路傍の石幼少年文学賞、『ゴムあたまポンたろう』(童心社)で日本絵本賞など、受賞多数。2005年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケ・セラ・セラ
19
青がとっても綺麗。表紙から裏表紙にわたる大きなゾウ。見返しにも大きなゾウのシルエット。頭上には小さな二頭のゾウ。大きな大きなバオバブ。あったかいものに包まれたような気分で見惚れます。今江さんの文がまたいいんですよ。「ぼじゃぼじゃと話しあって」とか「もくんとたちあがって」とか。集団で生活していくためには、度を越したものは追い出すしかないのでしょうか。そしていつだって欲深いのは人間。このお話、子どもの頃に読んだような気がしたら、童話集『ポケットにいっぱい』でした。何十年ぶりかでバオバブにまた会えました。2023/10/26
遠い日
13
とってもとってもとっても大きくなりすぎた象のバオバブ。仲間のところにいられなくなって、父母とともに旅立つ。どんなにか情けない思いをしたことだろうに、このバオバブは心優しい象だ。象の名誉にかけて、そのだいじな場所を守り抜いた。人間という脅威にも屈せずに。バオバブにとっては、脅威でも何でもなかったのかもしれないが、象としてのプライドを静かにみせたバオバブの健気さに、感じ入る。2015/07/16
ochatomo
12
見えないところで守るものの存在 1965年発表の童話を小ぶりの絵物語で出版していたが、原画を活かすサイズで没後復刊 色がきれいで、実際の表紙はとても素敵 元本1977年 2006刊2019/03/19
おはなし会 芽ぶっく
9
1965年大判の童話集が初版、その後小ぶりの絵物語となり、長新太さんが亡くなった後、原画をみて、原画が生きる形の本に仕立てたそうです。見返しにある大きな象、月と同じくらいの大きさの象が2頭、大きな象の頭に乗っています。バオバブの木のように大きくなってほしいと願いを込めてつけらてた子どもの象は、想像をはるかに超え大きくなり、仲間から出て行けと言われます。けれど、彼を愛する両親はずっと一緒でした…。2021/04/17
猪子
6
どの本で読んだのか忘れてしまったけど、このお話読んだことある。バオバブと名付けられたゾウがどんどんどんどん大きくなってしまう。長新太さんの青色のつかいかたが印象的。2018/11/30