内容説明
慶長十七年、春。駿府のはずれの村で、江戸に向かう途中の幼い姉弟が、山賊に拐かされるという事件が起こった。困りはてた村人たちの前に、巨躯の侍がさっそうと現れ、姉弟を救うと申し出る。常人では持ち上げることすらかなわぬ巨大な剛槍を、軽々と振り回すこの男―春風兵庫こそ、かつて本多忠勝の軍において数多の手柄をあげ、無双の豪傑とうたわれた、生粋のいくさ人であった。山賊を蹴散らした兵庫は、幼い姉弟を守り、江戸に向かうことを決意する。だが、純情無垢な姉弟の背後には、世のいくさの仕組みを根底から覆すほどの、巨大な秘密が隠されていた。徳川家康、本多親子を相手どり、最強のいくさ人・春風兵庫の喧嘩がはじまる。
著者等紹介
中里融司[ナカザトユウジ]
1957年、東京都出身。武蔵大学卒。八年間の会社勤めの後、文筆の道を志し、1994年、歴史群像大賞優秀賞、電撃ゲーム小説大賞銀賞を受賞。時代小説、架空戦記小説など、多彩な分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。