内容説明
佐渡のトキ保護センターでは、毎年多くのひなが生まれ、順化ケージで訓練された後、野生復帰を目ざし放鳥されている。トキの歴史と絶滅から守ろうとした人たちをたどり、そして今、野生復帰がどのようにして可能になるのか、わたしたちと自然の生きものとの関係を考える。
目次
はじめの章 田んぼに舞いおりたトキ
1章 桃の花の鳥
2章 トキの生態をしりたい
3章 生椿の田んぼに餌をまく
4章 トキの飼育員になろう
5章 水田にまよいでた幼鳥
6章 雪のなかの捕獲作戦
7章 トキは秦嶺山脈にいた
8章 中国からきたトキ
おわりの章 地球のトキを守る
著者等紹介
国松俊英[クニマツトシヒデ]
滋賀県生まれ。同志社大学商学卒業。日本野鳥の会、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会会員。童話や児童小説のほか、ノンフィクションや科学読み物を書いている。自然観察や野生生物の保護に関心をもって、日本各地をたずね歩いている。また古代からの鳥と人間の関わりに興味を持ち、鳥の文化史の研究に力をそそいでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kannkyo
15
「日本にいるもっとも日本的な鳥」という意味の学名を持つニッポニア・ニッポンが絶滅に瀕し、復活するまでの物語。2003年にあと1羽にまで追い込まれた日本のトキは、中国との協力を経て2018年11月時点で370羽にまで回復した。2019/07/30
おはなし会 芽ぶっく
8
27年度4年生教科書掲載(参考) 日本を象徴するニッポニア・ニッポン。その美しさに乱獲が繰り返され、大正の終わりごろには絶滅したと考えられていました。ところが佐渡にわずかに残り、沢山の人の嘆願と努力でいま数が増えています。その活動の記録です。2015/06/19
須磨子
2
トキと関わった人のエピソードを紹介しながら,絶滅の危機をどのように克服していこうとしたのかを紹介しています。「ニッポニア・ニッポン」という名前がついたことに,シーボルトが深く関係しているのは驚きでした。トキを守った人達の並々ならぬ努力に感動します。2015/01/17
どら母 学校図書館を考える
2
日本児童文芸家協会 第7回福田清人賞(優れた児童向けノンフィクション作品に贈られる)受賞作品。 トキの雛の巣立ちのニュースをききながら、読んだ。2012/06/10