内容説明
旅は人によりさまざまだが、私のそれは過去の人たちとの出会いや語らいが多かったように思う。時代を超えた会話、心の会話と言えるかもしれない。それにその土地の人やたべもの・酒が彩りを添える。こうした旅のエッセイ集を「旅の情景―心の会話」と名づけてみた。
目次
釧路と啄木
くじら墓
金閣焼亡
消えた小子内の浜
おわら風の盆
当尾の里
秋の奈良にて
むさしのの
落合の秋艸堂
奇蹟の盃〔ほか〕
著者等紹介
高橋正幸[タカハシマサユキ]
1935年東京に生れる。埼玉県立浦和高等学校を卒業。東京教育大学文学部史学科で日本史を学ぶ。専門は日本近代史、日本文化史。元桐朋学園大学短期大学部教授。東京都東村山市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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でろり~ん
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ふむむ、読んだ人が一人もいないですか、そですか。旅の情景とは云いながら、焦点は目的地の固定のものに限られていて、その旅自体の情景はほんの少ししか触れられていないのでした。アートには造詣の深い人なんでしょうけれど「私だけだろうか」と多発する言葉の陰に「個人的自信」が端座している感じ。だけれども、酒について話が及ぶと、とても好い紀行文になっていて楽しめました。どこか遠くへ旅する目的なんて、全然なくてもいいし、酒とか、食事だけでも充分なのではないかと半面的に印象付けられました。個人的ノスタルジー感が惜しかった。2017/04/16