出版社内容情報
2008年4月4日,ナラティヴ・セラピーの創設者マイケル・ホワイトは不帰の客となった。彼の未発表原稿11本を収録した遺稿集。
ナラティヴ・セラピーの創始者マイケル・ホワイトは,2008年4月4日不帰の客となった。本書は,盟友デイヴィッド・エプストンによって編まれた,マイケル・ホワイトの遺稿集である。ここには,11本の未発表論文が並んでいる。そのいくつかは講演の草稿だが,ワークショップのハンドアウトに未発表原稿や治療的手紙がつなぎ合わされたものまでも含まれる
ホワイトの社会的,政治的,そして倫理的なものに向けられた関心は,彼の治療的アプローチを形成している。彼はセラピーの世界にとって大切なトピックについて,雄弁かつ詳細に,それらへの探求を続けた。近代的権力操作,ターニング・ポイント,個人とコミュニティの倫理,逆転移,抵抗,豊かなストーリー展開,そしてセラピストの責任。さらに暴力加害者,トラウマの生存者,拒食症患者,自死遺族,そしてセラピーを受けるカップルへの臨床にも示唆を与えている。
シェリル・ホワイト,デイヴィッド・エプストン,ジル・フリードマンらによって,確かなナラティヴの実践となった本書は,セラピストに大いに参考となるだろう。ホワイトによって遺された11章,それはいまだ会話を続けている。
謝辞
編者のメモ(デイヴィッド・デンボロウ)
はしがき(ジル・フリードマン)
序(デイヴィッド・エプストン)
第1部 一般的治療考察
第1章 セラピーを世界に取り込むことと近代的権力操作の転覆
第2章 ターニング・ポイントと個人およびコミュニティの倫理の重要性
第3章 権力,精神療法,そして異議の新しい可能性
第4章 「逆転移」と豊かなストーリー展開
第5章 抵抗とセラピストの責任
第2部 セラピーのトピック
第6章 アノレキシアについて:マイケル・ホワイトとのインタヴュー
第7章 責任:暴力加害者男性との仕事
第8章 外在化と責任
第9章 再評価と共鳴:トラウマ体験とナラティヴ対応
第10章 自殺に関する誓約
第11章 カップルセラピー:カップルを冒険へ導く
エピローグ:会話を続けよう(シェリル・ホワイト)
追記と謝辞(シェリル・ホワイト)
訳者あとがき(小森康永)
内容説明
ナラティヴ・セラピーの創始者マイケル・ホワイトは、2008年4月4日不帰の客となった。本書は、盟友デイヴィッド・デンボロウによって編まれた、マイケル・ホワイトの遺稿集である。
目次
第1部 一般的治療考察(セラピーを世界に取り込むことと近代的権力操作の転覆;ターニング・ポイントと個人およびコミュニティの倫理の重要性;権力、精神療法、そして異議の新しい可能性;「逆転移」と豊かなストーリー展開;抵抗とセラピストの責任)
第2部 セラピーのトピック(アノレキシアについて:マイケル・ホワイトとのインタヴュー;責任:暴力加害者男性との仕事;外在化と責任;再評価と共鳴:トラウマ体験とナラティヴ対応;自殺に関する誓約;カップルセラピー:カップルを冒険へ導く)
著者等紹介
小森康永[コモリヤスナガ]
1985年岐阜大学医学部卒業。以降、同大学小児科に在籍。鳥取大学脳神経小児科、メンタル・リサーチ・インスティチュート(MRI)等で研修。1995年名古屋大学医学部精神科へ転入。愛知県立城山病院を経て、現在愛知県がんセンター中央病院緩和ケア部精神腫瘍診療科。日本家族研究・家族療法学会評議員
奥野光[オクノヒカル]
1997年国際基督教大学教養学部卒業。2002年名古屋大学大学院教育学研究科単位取得。現在二松學舎大学学生相談室専任カウンセラー(臨床心理士・大学カウンセラー)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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