内容説明
中国史上の儒仏道三教の共存共生は、異端抹殺の宗教戦争や異族排斥の民族浄化の愚行を犯さない知恵、人類の遺産である。本書では、貴族社会が崩壊して庶民が台頭した一大変革時代をはさんで、中世後期(隋唐)から近世前期(五代宋元)への歴史過程の思想をとりあげた。各執筆者の眼光は思想家の臓腑までも照射する。
目次
隋唐(隋唐思想史概説;南北朝士大夫の一典型―『顔氏家訓』;凡心と仏心の神秘を説き明かす―摩訶止観;真俗を超えて―吉蔵 ほか)
宋元(宋元思想史概説;道教の大百科全書―『雲笈七籤』;禅浄双修の人―永明延寿;三教論争の中の仏教―契嵩 ほか)