内容説明
筆もみずみずしく、犀利な観察と深い関心とは、どんな些細なものにも意味を見出し、問題を提起して時代的な隔たりを感じさせない、小泉八雲来日後の第一作。
目次
第16章 日本の庭
第17章 家庭の祭壇
第18章 女の髪
第19章 英語教師の日記から
第20章 二つの珍しい祭日
第21章 日本海に沿うて
第22章 舞妓
第23章 伯耆から隠岐へ
第24章 魂について
第25章 幽霊と化けもの
第26章 日本人の微笑
第27章 さようなら
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
68
八雲は、単身日本にやってきて、当時としては初めて西欧の…外人を観る田舎の人々の関心の的。しかも八雲が訪れる場所が島根の田舎や島。外人(白人)を見慣れない好奇心たっぷりの各地の田舎人は、彼の宿に雲集し、障子をやぶってでも観察し、彼が行くところ、金魚の何とかのようにゾロゾロ付いていく。2022/06/24
本の蟲
10
小泉八雲ことラフカディオ・ハーン の日本印象記。下巻もやはり見聞きした日本の風俗や民話、国内の小旅行記や松江での教員日記など。小泉八雲記念館があり、彼が愛した町として知られている島根県松江だが、当地での教員生活は1年という短い間だったのは驚きである。幸福な生活を過ごし、生徒や同僚と良好な関係を築いていたようだが、そんな短期間でも何人かの生徒が病床で亡くなっているのが時代を感じさせる。豊かではない食生活にコレラの流行。しかし当時でも、できうる限りの衛生管理を行い、隔離や外出自粛を持って対応していたのがわかる2021/12/18