内容説明
激しい空中戦やきわどい対艦攻撃の実相、周知の戦いの裏にひそむ意外な出来事、そして、過酷な戦場においてしめされる優れた人間性…。不条理な戦争の渦に翻弄されながらも、確たる実力と信念を抱いて大空を駆けた人々の物語。指揮官、下士官兵の立場を超えて、黙々と任務を成し遂げる航空戦士たちの清冽な生き様。
目次
手製の上向き砲は闘った―部隊独自の兵器で首都圏を守る
沖縄行きを阻む声―苛酷な戦争体験を乗り越えて
新聞社機で翔る―司令部偵察機の異なる側面
決戦の大空へ!―設計デスクから操縦席への移行
事故に斃れず―心臓が逆に付いた男の強運
厚木基地の陸軍少尉―徹底抗戦の集団にまじって
歪んだ回想―もと少年飛行兵はなぜ虚偽を語ったか?
夜戦のエキスパート六人―各人各様の奮戦ぶりを列記する
黒部も“戦場”だった―非力なヘリコプターで風雪を突破
ある巨人戦闘機の墓標―財政に押し流された高性能
ミニ戦闘機「ナット」出撃―小粒でもピリリと辛い活躍ぶり
著者等紹介
渡辺洋二[ワタナベヨウジ]
昭和25年(1950年)、名古屋に生まれる。立教大学文学部卒業後、航空雑誌の編集勤務。53年、第2次大戦の軍航空に関する執筆に専念。平成22年(2010年)、職業としての軍航空の著述を終了。以後、余暇を航空史研究にあてる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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