K+K press<br> 確率の悪魔―科学理論と現実のはざま

K+K press
確率の悪魔―科学理論と現実のはざま

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784769204497
  • NDC分類 417.1
  • Cコード C3041

内容説明

明日は必ずやって来る―人間は固くそう信じて疑わない。だからこそ、暦をつくって未来に備えて種をまく。古くから連綿と繰り返されてきた「無意識的確率行動」である。一方で、予測へのやみがたい欲求は近代に入って「意識的確率概念」を生み出した。いまや科学の世界の法則は、数学という非日常的な言語をまとった確率概念があればこそ未来に対して意味をもつ。だが、日常言語との乖離の結果、「確率論神話」の台頭も避けがたいことだった。人間の認識能力の限界や悪夢のようなトートロジー(同語反復)…「確率」の意味をいま問い直す。

目次

第1章 数概念の奥に潜む根本問題について(科学理論の記述になぜ数式は不可欠なのか;人類は「0」や「1」を生み出すまでに苦労した! ほか)
第2章 無意識的な確率概念と意識的な確率概念(科学の世界の数式や記号は「ことば」である;科学表現理解の糸口としての確率概念 ほか)
第3章 意識的確率概念の意義と限界(「証明」の限界について;長さや距離に「絶対」はあるか ほか)
第4章 科学理論の本質と意識的確率概念のもつ課題(確率概念や偶然性についての決定論的見解;確率概念や偶然性についての非決定論的見解 ほか)

著者等紹介

本田成親[ホンダシゲチカ]
1942年、横浜に生まれ鹿児島で育つ。東京大学大学院博士課程修了。位相幾何学、基礎論専攻。東大教官を経てフリーランスとなり、数理哲学や科学理論関係の著述に携わるかたわら東京芸術大学大学院美術教育研究科客員講師を務める。1997年、「佐分利谷の奇遇」で第2回奥の細道文学賞受賞後、文芸作家活動に入る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

凸凹

1
本書は、確率の概念に焦点を当てており、巷に出回っている確率統計の解説に終始する『確率統計入門』等の類書とは一線を画している。本書を読んで、確率に対する見方が変わった。 2012/12/01

kmym

0
すべてのものは相対的であり、科学が立脚している地点も相対的なものに過ぎないということを問いている。文章は固めで読みづらいが、著者の抽象的思考力の高さが後半から特に伝わってくる2016/11/25

saito

0
普段何気なく使っている確率という概念や確率と科学との関係性を徹底的に掘り下げている。確率や統計、科学といったものにすら絶対的な客観性というのは存在し得ず、人間の認識の限界という制約を受けているというのにはすごく同意できた。2012/04/17

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