出版社内容情報
福島原発事故により避難地域となった福島県飯舘村は、200年以上前の天明の飢饉で人口が37%も減少した歴史をもつ。当時の相馬藩は、貧民救済・子育て支援などを施し、国禁を破って越後から多くの移民を受け入れていた。それを導いたのは浄土真宗寺院の僧侶たちである。今回の原発避難地域と天明の飢饉による避散地域は驚くほど重なっている。飯舘村出身の新聞記者が、相馬藩の復興政策を克明に調査し、現代にも通用する施策を抽出していくという全く新しいアプローチが刺激的なノンフィクション。
大災害に遭遇した先人が遺したメッセージとは?
佐藤昌明[サトウマサアキ]
著・文・その他
内容説明
大災害に遭遇した先人のメッセージとは?福島県飯舘村出身のベテラン新聞記者が、原発事故に遭った故郷を想い、被災地の現場を取材、歴史資料の独自調査を敢行した。
目次
プロローグ わが故郷 飯舘村
第1章 同級生たち
第2章 凶作と移民の歴史
第3章 帰郷・2017年
第4章 原発事故、私はこう思う
哲学者・高橋哲哉氏に聞く
著者等紹介
佐藤昌明[サトウマサアキ]
1955年、福島県飯舘村生まれ。東北大学文学部日本思想史学科卒。新聞社に38年間勤務。東北地方を舞台にした社会的事件や自然保護、歴史、民俗、文化関係を中心に取材活動を行う。山を考えるジャーナリストの会会員。白神逍遥の会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっ!chan
32
飯舘村を知っていますか?福島第一原発から北西方向に遠く離れ、東電から何の恩恵も受けていないのに、あの震災で風向きの関係で放射能の影響を大きく受けて、全村避難命令を受けた村です。飯舘村出身の筆者は、新聞記者の目から見た飯舘村原発被害の様子と、大学時代に学んだ知見を活かした同村を襲った天明の飢饉を重ね合わせて歴史が繰り返すことを発見し、さらに郷土愛から生まれるこれからの生活再建と原発のあり方をまとめた、技術者とは違った観点からの力作です。7年たっても震災復興はまだまだ終わっていません!2018/03/21