内容説明
今、よみがえる紀行文学の名著!宮脇俊三の代表的エッセイ集が誘う極上の鉄道散歩。時刻表から旅先の味覚まで、駅と線路に沿って広がる愉悦の風物誌。エピローグに、在りし日の作家と作品をめぐる娘の想いを添えた。
目次
はじめに若干の所感
軽症重症その他いろいろ
乗ったり化けたり
線路はつづくよ、海越えて
味と宿
家長の孤独
著者等紹介
宮脇俊三[ミヤワキシュンゾウ]
1926年生れ。鉄道紀行作家。東京大学西洋史学科卒後、中央公論社に入社。『中央公論』『婦人公論』の編集長、書籍編集等に携り、名編集者と謳われた。1978年退社。同年『時刻表2万キロ』(河出書房新社)で作家としてデビュー。以後、鉄道紀行を中心とする膨大な作品によって、「紀行文学」のジャンルを確立した。2003年、76歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まーみーよー
25
鉄道紀行作家宮脇氏による随筆集。特に鉄道好きでもないのだが(この本は息子所蔵本)、宮脇氏の文体が好きなのです。ご自身については「書くのも他愛のない汽車ポッポ」だとし、内田百閒(元祖鉄道好き)氏を先生と表現して「百閒先生の名描写がちらついて筆が重くなる」と低姿勢だ。宮脇氏の文体もユーモア溢れた名文なのだが。やり手の編集長の一面をもちながら童心にかえって週末に鉄道旅に勤しんだ「汽車ポッポ人生」は素晴らしい。2020/10/17
ココアにんにく
0
一番好きな作家宮脇俊三先生『汽車との散歩』の復刊を図書館で見つけた。文庫本の蔵書があるが宮脇灯子さんの解説もあるので借りて読む。『汽車との散歩』は17年ぶり再々読。文章に酔うとはこのこと。名文の数々。旅のカバンには常に宮脇さんの本があった。宮脇本と旅をすると何倍も楽しくなる。かようなわけで書架の整理をしたが宮脇本は減らない。この本も書店で出会うと買ってしまいそう。「サロンエクスプレス東京」での豪華メンバー(種村さん・須田さん・南さん)との一幕は本書の白眉。莞爾とする。2015/10/28
rasty
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鉄道紀行作家宮脇俊三氏の二冊目の随筆集。鉄道と風俗、鉄道と歴史、鉄道と地理などを絡めた文章が軽快で実に面白い。さすが作家だなぁ~と唸らせる文章が散りばめられています。もちろん、旅心満載の鉄道旅もあります。2013/02/23