内容説明
権力は何に由来するのか。磐石にみえたヨーロッパの中世世界が倒壊へと向かう14、15世紀に、教会の現状や教皇権力そのものを問い直し、宗教改革への門戸を開いたオッカムのウィリアム、ジョン・ウィクリフ、ヤン・フスの教会論・政治論を収録。教皇の至上権の否定、ミサに対する批判、聖書原理の展開等、当時異端とされた彼らの主張の数々は、フスの火刑からちょうど1世紀後となるルターの登場を先取りしたといえよう。
目次
オッカムのウィリアム(教皇ベネディクトゥス〔12世〕への反論(抄)(1337年)
対話篇第三部(抄)(1340/41年)
教皇権力に関する八提題(抄)(1341/47年)
教皇の専制支配に関する小論(抄)(1342年))
ジョン・ウィクリフ(祭壇の秘跡について(抄)(1381年頃)
教会論(抄)(1378年))
ヤン・フス(教会論(抄)(1413年))
著者等紹介
出村彰[デムラアキラ]
1933年生まれ。東北学院大学卒、東京神学大学大学院修了。イェール、プリンストン、バーゼル等に留学。神学博士。現在・東北学院大学文学部教授、副学長
池谷文夫[イケヤフミオ]
1948年生まれ。早稲田大学第一文学部卒、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在・茨城大学教育学部教授、博士(文学)。専門・ドイツ中世史
中村賢二郎[ナカムラケンジロウ]
1925年生まれ。京都大学文学部卒。京都大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。