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内容説明
二つの大戦と十数年の亡命、ファシズムとスターリニズム…疾風怒濤の時代を、「友愛の地」を求め、民衆との結びつきと変革への志を最後までもちつづけながら、鮮やかなフットワークで、したたかに走り抜けた男―ブレヒト。その傍らには、常に彼と共働し共生する女性たちの姿があった。自らの性と生の矛盾、希望と仕事の間で揺れて生きぬいた彼女たちの生きざまに視点を定め、二〇世紀の孕む問題と、もろに切り結んだブレヒトの巨大な謎に、新たな角度から光をあてる。また、ブレヒトと女たちの共生が提起する問題は、フェミニズムの時代になげかけられた、思いがけない、そして貴重な一石でもある。
目次
序章 友愛の地を求めて
第1章 愛のロマンティークの終焉―男と女のブレヒト現象
第2章 堕天使の娘―マリールィーゼ・フライサー
第3章 流離の革命家―アーシャ・ラツィス
第4章 ライ・ツーたちの話―ルート・ベルラウ/エリーザベト・ハウプトマン/マルガレーテ・シュテフィン
第5章 時代を呑みこんだ母なる大地―ヘッラ・ヴォリヨキ
第6章 〈胆っ玉おっ母あ〉の選択と決断―ヘレーネ・ヴァイゲル
終章 シェン・テとシュイ・タのはざまで―聖母と娼婦を超えて