出版社内容情報
現代詩史上、エポックメイキングとなった詩『旅』と魂の画家、香月泰男の画による詩画集。待望の復刻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
34
【図書館】鳥羽の詩は和紙のような透明に近い、ヴォルナブルな紙の上に印刷され、香月氏の絵は谷川の詩の上からみえる。詩と詩の間は水色の紙で区切られてくるようでもあり、またそれが空なのか海なのかとも連想させる。とすれば、「区切られている」というより「ツナガリ」なのだろうか?荒木との写真/詩集につづき、これもまさに芸術作品だ。「書く」という行為そのものが無から何かを創造されることなのだろうが、これらの作品―特に谷川の詩は「何か」のカタチを思い浮かべさせることを拒否するかのように無限性に私をつれていく。2013/12/05
風花
9
香月泰男さんの海の絵に谷川俊太郎さんの詩が重なる。香月さんの海は生きていて、潮騒さえも聞こえるよう。鳥羽の海で詩人は心安らかにいられただろうか。「私には書けない」と書きながらなお書き続ける詩人の、嘆息や慟哭は潮騒にかくされているだろうか。そんなことを思いながら、本を閉じた。2016/12/20
のんたんの
4
谷川さんの言葉により 自分と、漠然とした何かとの間の沈黙を聴くような体感でした。2010/03/26
メルセ・ひすい
2
13-76赤29 `95二人アベックで ニューヨーク・ハドソン河、上流へドライブ・ツアー 意気投合でも暗い影が… 谷川俊太郎と香月泰男。二つの魂の邂逅によって生まれた珠玉の詩画集。1968年刊の詩画集に詩2編を加え復刻、オリジナルに近い形の新装版。 2010/04/25
麻ノ葉
1
20年くらい前に、山口の香月泰男美術館に行った。本のなかの絵は、美術館で見た絵や玩具とは全然印象の違うものでびっくりした。 鳥羽の海が激しい谷川さんの詩を静かに包んでいるような感覚になった。 2018/08/22